『芥川賞の偏差値』で偏差値70超え!  村田沙耶香さんへの質問状 小谷野敦さんから村田沙耶香さんへ|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
哲学からサブカルまで。専門家による質の高い書評が読める!

▲トップへ

  1. 読書人トップ
  2. 特集
  3. 『芥川賞の偏差値』で偏差値70超え!  村田沙耶香さんへの質問状 小谷野敦さんから村田沙耶香さんへ・・・
特集
2017年3月10日

『芥川賞の偏差値』で偏差値70超え! 
村田沙耶香さんへの質問状 小谷野敦さんから村田沙耶香さんへ

このエントリーをはてなブックマークに追加
小谷野敦『芥川賞の偏差値』で、最高ポイントの偏差値72を獲得した、村田沙耶香「コンビニ人間」。「いったい芥川賞に何が起きたのか」「つまらない小説に授与するのが芥川賞の伝統なのに、選考委員どうしちゃったんだ」との、小谷野節による大賛辞が送られた。

小谷野氏曰く、「「コンビニ人間」を読んだらあまりに面白いので手あたり次第に村田の本を読んだくらいである。概して初期の、少女のやや異常な性を描いたものがよく、三島賞をとった『しろいろの街の、その骨の体温の』が良かった」。

これを受けて、村田氏に小谷野氏からのいくつかの質問に答えていただいた。「自分には勿体ないようなお言葉を頂戴して恐縮ですが、過去の作品にも触れてくださってとてもうれしかったです」と、村田氏。

――「コンビニ人間」に出てくる男性にはモデルがいるのですか。
村田
白羽さんには具体的なモデルはいないです。「もし自分が男性だったら、こういう苦しみを抱えていたのではないか」という想像から出来上がった人物だからです。

最初は少ししか登場場面がなかったのですが、むくむくと膨れて、性格もどんどん悪くなり、最終的には古倉さんと深く関わる人物になりました。苦しみへの想像から生まれた人物が、他者を蔑んだり苦しめたりする人間になったことは今でも不思議です。

――(師匠である)宮原昭夫の小説でいちばん好きなものは?
村田
「窓下の少女」がとても好きです。

この小説に限らず、宮原昭夫作品の中で、「執拗さ」のある小説が特に好きです。主人公の何かを執拗に思考し続けている姿や、言葉を一つ一つ口に入れてねっとりと舐めて吟味しているように感じられる文章にとても惹かれます。執拗であることを大切にするという意味で、影響を受けているのではないかと思います。

コンビニ人間(村田 沙耶香 )文藝春秋
コンビニ人間
村田 沙耶香
文藝春秋
  • この本をウェブ書店で買う
――十九世紀以前の小説で好きなものは(日本以外でも)?
村田
子供の頃図書館で読んだ、ジュール・ルナールの『にんじん』がとても好きです。

小説の中の痛みや暗闇に救われる感覚を生まれて初めて覚えた作品で、鮮烈に印象に残っています。
2017年3月10日 新聞掲載(第3180号)
このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事の中でご紹介した本