田中優子さんが新書を買う

新年号特集 新書のすすめ

三省堂書店・神保町本店にて



 新年恒例「新春特集・新書のすすめ」をお届けします。一面「新書を買う」では、法政大学名誉教授の田中優子さんに、書店店頭にて新書を選んでいただきました。二面以降では、版元選りすぐりの新書をご紹介します。著者に自著を語ってもらう「私のモチーフ」、各社の新書編集部より「売れ行き好調の10点」リスト、その中から一冊について読みどころを。さらに「近刊ピックアップ」では、新刊・近刊の注目の一冊を教えていただきました。慌しい年末年始、新書を片手にひと息つきませんか? どうぞお楽しみください。

 新年の「新書を買う」企画には、法政大学名誉教授(前総長)で江戸文学・江戸文化がご専門の田中優子さんにご登場いただきました。近年の新書のご著書に、『苦海・浄土・日本 石牟礼道子 もだえ神の精神』(集英社新書)、『江戸問答』(松岡正剛さんとの共著、岩波新書)、『遊郭と日本人』(講談社現代新書)などがあります。

 二〇二二年三月下旬に、営業を終了することが決まった三省堂書店・神保町本店(同社・同店ビルと隣接するアネックスビルの建て替えにより)。二〇二一年一二月初頭に、田中さんに同書店で新書を選んでいただきました。(編集部)
≪週刊読書人2021年12月31日号掲載≫



田中優子さんが選んだ14冊の新書


●大江健三郎著『沖縄ノート』(岩波新書)
●竹内正浩著『カラー版 地図と愉しむ東京歴史散歩 地形篇』(中公新書)
●波頭亮著『文学部の逆襲 人文知が紡ぎ出す人類の「大きな物語」』(ちくま新書)
●森達也・望月衣塑子著『ジャーナリズムの役割は空気を壊すこと』(集英社新書)
●阿武野勝彦著『さよならテレビ ドキュメンタリーを撮るということ』(平凡社新書)
●藤代裕之著『ネットメディア覇権戦争 偽ニュースはなぜ生まれたか』(光文社新書)
●神門善久著『日本農業への正しい絶望法』(新潮新書)
●内田樹・釈徹宗著『日本霊性論』(NHK出版新書)
●森まゆみ著『しごと放浪記 自分の仕事を見つけたい人のために』(インターナショナル新書)
●池上正樹著『ルポ「8050問題」 高齢親子“ひきこもり死”の現場から』(河出新書)
●歴史街道編集部編『日本陸海軍、失敗の研究』(PHP新書)
●佐藤優著『危ない読書 教養の幅を広げる「悪書」のすすめ』(SB新書)
●河邨文一郎編『金子光晴抄 詩と散文に見る詩人像』 (冨山房百科文庫)
●瀬川拓郎著『アイヌ学入門』(講談社現代新書)

選書理由やコメントはぜひ本紙でお楽しみください。

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