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誰も見ていないから 第6回
更新日:2016年7月15日 / 新聞掲載日:2016年7月15日(第3148号)

誰もみていないから ⑥

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誰もみていないから ⑥
<博多祇園山笠男絵図>―MATSURI―series
(鉛筆、油彩、キャンバス/27.3×16.0cm/2015年)ⒸShinji Ihara

博多祇園山笠は、博多の人々の暮らしと歴史の中で大切に育まれてきた。この時期が近づくと博多の男たちは「山笠休暇」という長期休暇を取って参加するほど、この祭りにかける思いは深い。規模が大きいため、福岡市が主催している祭りと誤解されがちだが、祭りの運営主体は、十数の町を束ねた自治組織の流(ながれ)である。そのため、基本的に地域外の者は参加できないことになっている。恵比須流・大黒流・土居流・東流・西流・中洲流・千代流の七つの流が、最終日の追い山でスピードを競い合い博多の市街地を疾走する。山笠を担いで回ることを山笠を「舁く」(かく)と言い、担ぐ人のことを「舁き手」(かきて)と言い、旧来の流においては舁き手は男性のみである。

700年以上続く博多祇園山笠は、現在でも多くのしきたりが守られ続けている。例えば、山笠期間中は行事参加者の間ではキュウリを食べてはいけない。山笠の祭神・祇園神のご神紋である木瓜の花にキュウリの切り口が似ているからとされている。また、山笠行事の開始となる「お汐井取り」で身を清めた男たちは、山笠の奉納が済む15日まで女性との接触を避けなければならない。

変化していく時代の中でも、歴史を重んじ伝統を後世に受け継いできた博多祇園山笠は国の重要無形民俗文化財にも指定されている。
(いはら・しんじ氏=画家)
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