田原総一朗の取材ノート「東京都民が選ぶのは誰か?」|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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田原総一朗の取材ノート
更新日:2016年7月22日 / 新聞掲載日:2016年7月22日(第3149号)

東京都民が選ぶのは誰か?

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七月三一日投開票の東京都知事選は、小池百合子、増田寛也、鳥越俊太郎の三氏の戦いになりそうだ。

ところで、この三者には共通点がある。それは三者共に、東京都政に対する強い抱負らしきものを持っていないことである。

小池氏は、ニュースキャスターから日本新党の参院議員となり、郵政解散で小泉首相の「刺客」として話題をさらった。今回は、自民党推薦にはならずに立候補して、都議会の冒頭解散を打ち出している。

増田氏は、岩手県知事を三期務めた後、総務相を務めて、地方活性の旗ふり役を演じてきた。いわば東京一極集中をやめさせて、東京から地方へ人材を送り出すために努力してきたのである。もちろん、元官僚で発想の切り換えは早いだろうが、都政への抱負は、これからつくらなければならないわけだ。

そして鳥越氏は、サンデー毎日の編集長からテレビキャスターを長く務めてきたジャーナリストである。彼は安倍首相を「戦後最悪の内閣」だときめつけ、その安倍自民党が、参院選で、公明党など与党を加えて、憲法改正の発議に必要な三分の二以上の議席を獲得したことに、強い危機感を抱いて出馬を決意した。と語っている。

私は、鳥越氏の表明を聞いて、一九六七年に、やはり都知事選に立候補した美濃部亮吉氏のことを思い出していた。

美濃部氏は、社民党と共産党が推薦したのだが、出馬のスローガンは「ストップ・ザ・サトウ」であった。
当時は自民党の佐藤栄作氏が首相で、文字通り一強多弱状態であった。ただし、全国的に公害による汚染がひどく、「公害列島」という活字が新聞や雑誌などに頻繁に登場していた。

もちろん、東京都知事が社・共支持の美濃部氏になったからといって、国政が変るわけはなく、「公害列島」が緩和されるわけでもない。そんなことは、美濃部氏自身が承知していて、東京都民もよくわかっていた。それでいて美濃部氏は知事選で当選したのである。そして三期も務めた。美濃部氏に習えば、鳥越氏は「ストップ・ザ・アベ」だが、東京都民はどのように反応するだろうか。
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