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田原総一朗の取材ノート
2017年6月27日

安倍首相の高等戦略では?

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安倍自民党は、通常国会を強引きわまりない強行採決で、事実上一六日に閉じてしまった。

共謀罪については、誰が見ても審議がつくされたというには程遠い。金田法相は、野党各党の質問に、満足な答え方はできなくて、肝心なところになると、官僚たちが代わりに答えていた。

私は、満足な答え方のできない金田勝年氏を法相にしたのは、安倍首相の高等戦略ではないか、とさえ思ってしまう。とんちんかんな答え方をしている金田法相に対して、民進党や共産党など野党各党は、徹底的に突っ込んだ。いってみれば金田いじめにエネルギーを注ぎ込んだ。そのために、共謀罪の核心部分の審議をしないままに三〇時間になってしまった。

これは、野党各党が、安倍首相の戦略に、まんまと乗せられてしまったのではないか。

それにしても、安倍自民党が、委員会審議の採決もとらず、自民党議員の多くも知らない「中間報告」を繰り出して、強引に幕引きをしたのは、国会を延長すると、加計問題で確実に内閣支持率が落ちると踏んだからである。

加計問題をめぐって、文科省から流出した文書について、当初は官房長官は「怪文書」だといい切っていたが、前川前事務次官がくり返した発言などもあって、文科省は「調査をする」と表明したが、結果は確認できなかった、であった。だが、記者たちの追求で、再調査に追い込まれて、「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」などということが記録された文書があったことを認めた。

ところが、山本地方創生担当相は、内閣府の官僚たちは、そんなことはいっていない、と全否定し、何と、「文科省から内閣府へ出向中の職員が陰に隠れて本省に注進した」、と部下をスパイ扱いまでして責任を転嫁した。

私は、山本大臣や、内閣府の官僚たちが、国民から強い不信感を買うことを知りながら、ごまかしの答弁をくり返しているのが、可哀想になって来た。既得権益の岩盤にドリルで穴をあけた。その一例が加計の獣医学部だと、安倍首相がはっきりいうべきである。みんながいった、いわないと責任のなすりつけあいをしているから、国民は何かイカガワシイコトがあるのだ、と感じてしまうのである。
2017年6月23日 新聞掲載(第3195号)
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