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漢字点心
更新日:2017年7月18日 / 新聞掲載日:2017年7月14日(第3198号)

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わけあって中江兆民の『三酔人経綸問答』を読み始めたら、いきなり、こんなむずかしい漢字にぶつかった。「釂す」と書いて、「のみほす」と読ませている。漢和辞典には、たしかに、音読みは「シャク」、訓読みは「のみほす」だとある。中国の古典にはときどき出てくる漢字らしい。さすがは明治のインテリ、由緒正しい漢字の使い方をするものだ。

ところで、「爵」は、もともとは「さかずき」を表す漢字。地位の証として君主から与えられる「さかずき」だったところから、「伯爵」「爵位」のように使われることになったという。お酒を意味する「酉」をそれに組み合わせたのが「釂」。つまり、「さかずき」がほぼ横滑りをして「のみほす」という意味になっているわけだが、この「さかずき」には、飲み干さないという選択肢はなかったのだろうか。

よほどの酒好きなのか。飲み干さなければ「爵位」はもらえなかったのか。いろいろ想像してみるのも、たのしい。
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