ともかくスケッチ45 ウッディ・アレン似|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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ともかくスケッチ
更新日:2016年8月12日 / 新聞掲載日:2016年8月12日(第3152号)

ともかくスケッチ45 ウッディ・アレン似

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先日亡くなられた灘本唯人さんは、アメリカの映画俳優で監督でプロデューサーでもあるウッディ・アレンさんによく似ておられた。「似ておられますねぇ」と多くの人に言われて「……」とまんざらでもない表情をされていたのが忘れられない。特異な人であった。

四十年程前の話になるが、「草加事件」という爆弾騒ぎがあった。公衆便所に爆弾を仕掛ける「奴」がいるという事件だ。土地の草加じゃなく「奴」の名前が草加次郎と言った。新聞、チラシで発表された犯人写真がなんとウッディ・アレン似であった。ということは灘本さんに少々似ているということになる。ある日、ある時、電車の中で突然灘本さんは便意をもよおされた。国鉄(今のJR)神田駅にて下車、一目散に構内の便所に駆け込んだのは良いが、なんと満室。2、3人の人が待っていた。我慢できずに2、3箇所あたってみると不幸にも時間帯なのか何処も満室。えーいとばかり隣りの地下鉄までお腹を押さえながら小走りで駆け込んだ。間が悪いことにこの日草加次郎からこの辺りに仕掛けるという予告があったらしい。灘本さんの様子を一部始終警官が見ていたらしく、用を足してすっきり顔の灘本さんが「ちょっとお話が」と連行されたという話である。

子どものころの「カンガルーとボクシング」事件があった。もうひとつ事務所のビルが火事にあった話、最上階の部屋におられた灘本さんが消防員に両脇を抱えられ脱出された時に「老人一名救助」とトランシーバーから大きな声が流れてきた事件、近年では「カミングアウト事件」沢山の話に事欠かない。

そんなエピソードが一冊になると面白いなぁと天に向って灘本さんと話している。
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