田原総一朗の取材ノート「北朝鮮と米国の異常な緊張関係」|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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田原総一朗の取材ノート
2017年10月24日

北朝鮮と米国の異常な緊張関係

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二つのテレビ局の「党首討論番組」を見た。

どちらの番組も、「森友・加計疑惑」から入り、番組の半分以上を、この問題で費やした。また、どの野党も、この問題については元気がよく、安倍首相を厳しく追及した。

たしかに、両疑惑とも、安倍首相の、一強多弱体制が続いたための神経の弛みというか、人間としての未熟性ゆえのおごりをさらけ出した事件である。

森友学園の場合は、国有地の売却価格が、なぜ八億円以上引き下げられたのか、という疑惑だが、財務局の官僚たちは、その理由を示した記録を作成していたはずで、また官僚たちがつくったのだから、それなりの理由が書き込まれていたはずである。それを、記録などあると、野党からどうのこうのと追究されると面倒くさい、と感じ、財務局に「破棄したことにせよ」と命じたのだろう。そのために、担当官僚の国会での答弁は、当人も恥しい思いをしたであろう、嘘々しいものとなり、矛盾が次から次へと出て疑惑が大きくなったのである。

加計学園問題にしても、安倍首相が、「いま加計学園が獣医学部の新設を申請しているようだ。僕の四〇年来の友人だからといって、甘くせず、きちんと審査をしてほしい」と、委員たちにいえば、それで何も問題はなかったはずである。それを、なぜか面倒くさく思って、全く知らなかった、などといったので、大疑惑となったわけだ。

だが、いずれにしても、国がどうこうなる問題では全くない。

いま、国民の多くが強い不安を覚えているのは、北朝鮮とアメリカの異常な緊張関係である。

トランプ大統領と金正恩委員長は、尋常とは思えない、言葉の挑発合戦をくりひろげている。

言葉だけではなく、北朝鮮は核実験を行ない、ICBMを連続発射している。

いつ火を吹いてもおかしくない状況で、日本がミサイル攻撃を受ける恐れもある。

だが、二つの番組とも、この問題には全く触れなかった。

そして、選挙戦で、どの野党もこの問題には触れず、国民の生命の安全を守ることなど野党には全くかかわりがない、と捉えているようだ。これでは選挙戦で得票をのばすのは無理であろう。
2017年10月20日 新聞掲載(第3211号)
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