田原総一朗の取材ノート「トランプ大統領のアジア歴訪」|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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田原総一朗の取材ノート
更新日:2017年11月21日 / 新聞掲載日:2017年11月17日(第3215号)

トランプ大統領のアジア歴訪

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トランプ大統領の、はじめてのアジア歴訪が日本、韓国、中国、そしてフィリピン、ベトナムをまわって終わった。日本、韓国、中国での最大の課題は、当然ながら北朝鮮問題であった。

日米首脳会談を終えて、安倍晋三首相は、日米が「北朝鮮への圧力を最大限まで高めていくことに完全に一致した」、と何度もくり返した。

だが、トランプ大統領は、「北朝鮮に徹底的に圧力をかけ、その先には、武力行使もあり得る」と強調している。とすると、安倍首相が「完全に一致した」といい切るのは、アメリカの武力行使を認めたことになる。

そして、アメリカが北朝鮮に武力行使をすれば、北朝鮮は、韓国や日本に報復攻撃を行う可能性が高い。このとき、日本はどのように対応するのか。

だが、安倍首相は、こうした事態への対応については全く話さず、なぜか、日米首脳会談後に、そうした質問は全く出ず、翌日の新聞各紙も、こうした疑念については触れなかった。

韓国でも、トランプ大統領は、「北朝鮮の圧力を最大限まで高めていく」と強調し、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は同意した。

だが、日本も韓国も「北朝鮮への圧力を高める」とはいっても、具体的に「圧力を高める」手段は、有していない。その点、中国は全く違う。中国は、北朝鮮を破滅に追い込む、具体的な手段を、いくつも有している。たとえば、石油を送るパイプを封じれば、北朝鮮の国民の生活は成り立たなくなる。

そこで、米中首謀会談に、世界中が注目したのだが、習近平主席は、トランプのディール(取引)に大盤ぶるまいで答え、二十八兆円ものアメリカの製品を購入することにした。

ところが、共同記者会見で、習近平主席は、九月の国連安保理の採決を守る、という以上のことは口にせず、トランプ大統領は、それで納得したようだった。となると、北朝鮮問題はどうなるのか。両者が同意したのだからアメリカによる武力行使にはならないのだろうが、日本、韓国で示した、トランプ大統領の攻撃性はどうなってしまったのか。安倍首相は、一体どのように捉えているのだろうか。
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