【横尾 忠則】NYのヨーコさん、難解な☎ イマジンするしかないね!|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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日常の向こう側ぼくの内側
更新日:2017年11月21日 / 新聞掲載日:2017年11月17日(第3215号)

NYのヨーコさん、難解な☎ イマジンするしかないね!

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オノ・ヨーコさんとスカイ・ザ・バスハウスで(2004年)
2017. 11.6
 ここ数日不眠癖が続いている。対策としてはですね、朝日を浴びて睡眠ホルモンのメラトニンを吸収することですね。早速実践。

ニューヨークからオノ・ヨーコさんのご機嫌伺いの☎は難解過ぎてよく理解できない。よく聴きとれないので、僕の話トンチンカンでしょと言うと、「それがいいのよ」。ではイマジン(想像)するしかないね、と答えると「ホラ、聴こえてるじゃない?」。言葉の断片を繋げてあとは♪Imagine all the peopleと歌うしかない。「ちょっと待って日本語のできる人に代るわ」。☎で日本語を通訳してもらうのは初めて。「お正月は日本でしたいわ」。暖かくなってから足腰の治療かねて草津温泉へ行きましょうよと誘う。「そこどこ?」。♪草津よいとこ一度はおいで、ハッどっこいしょ、と歌う。「あら、そんな歌知らないわよ」

日経新聞の伊藤さん、苅山さん来訪。展覧会の話など。若冲展は44万6000人の入場者で15万部カタログが出た。昨今の展覧会は数字が勝負? 列を作る老人がバタバタ倒れて、救急車4台、看護師総動員。若者相手の文化から老人文化へ流動?

夕方、ニューヨークのコレクター、ルイス・ヴィグデンさん来訪。新たに、NY、ハワイ、東京のY字路の絵を依頼される。即キャンバス特注。

2017. 11.7
 年末が来たような気分でザワザワ落ちつかない。依頼仕事を減らそう。昔は来るもの拒まず主義だったが今は「忙」によって心を亡くすることを悟らなきゃ。

2017. 11.8
 ホテルの一室。(こう書けばまた夢か、と思うでしょ? その通り)洗面所で歯を磨いている時、妻に☎が掛かる。その会話から推測するに、相手は彼女の夫らしい。僕の他にもうひとり夫がいるようだ。その夫は一体どこのどいつだ。僕も間違いなく60年間務めている夫のはずだ。重婚? または一ヶ所にいながら二ヶ所に存在するというバイロケーション現象か? どちらが実体でどちらが虚体か? 妻の☎は僕との旅の様子を報告しているが、半分はデタラメな作り話だ。これって上手く書けば面白い短篇小説になるぞ、と目覚めて思う。

玉川病院でのピロリ菌検査の結果はマイナス。一安心。ついでにインフルエンザもと思ったけれど、30分後に異変があるかもとか、24時間はなるべく安静にとか、万が一入院ってこともあり、みたいな話を聞かされて、今日は中止。

2017. 11.9
 6時起床。梅原猛さんの『人類哲学序説』(岩波新書)再読。「草木国土悉皆成仏」の思想を日本文化の中核にすることで西洋哲学を超えられるか。

東宝スタジオで山田さんとタイトルバックの打合せ。映画の舞台になる家はY字路。それを絵にして、その絵をそのまま実写に変えたいと監督の希望。「ウエスト・サイド・ストーリー」のタイトルバックからのヒントらしい。

2017. 11.10
 「アイデア」が僕の未発表ポスターの特集を急遽年内に発刊することに決り、室賀さんと西さん来訪。アメリカ、イギリス、台湾、日本の書き手にすでに文の依頼済み。

夕方、整体院へ。今日はストレッチを加えてもらう。

2017. 11.11
 毎年この時期になると喘息に悩まされるが、今年は夏場に発作が起こって10日間入院したが喘息も季節感が狂ったのか?

磯﨑憲一郎さん贈本の『鳥獣戯画』(講談社)を寒い公園でオロナミンCを飲みながら読み始める。余所見しながら絵を描いているような文が落ちつかないで結構飽きさせない。

土曜になると「土用のうなぎ」と引っかけてよく出前を取ったもんだが、その店が軽井沢に移転したので、新しい店を探す。うなぎを食べに行くまで途中放棄している絵に筆を入れる。こーいうことはメンドー臭いことなんですよね。一層のこと筆など入れないで未完にしてしまいたい気分だ。


うな重を食べた帰りにキヌタ文庫でオキーフとメキシコ絵画のカタログ(古書)を買う。
2017. 11.12
 足裏の肉球はどの医者もわからなかったが、これは老齢になるとつまさきの裏が硬くなる「外反母趾」という症状だということが新聞広告でわかった。治療法はないが人工筋肉をサポートすることで補助できるらしい。医者がこの症状を知らないで老齢化社会の医療大丈夫?

赤塚不二夫の回想録「ラディカル・ギャグ・セッション」の文庫解説を書くために読むが、彼のアイデアは映画、テレビ、ニュースなどありとあらゆるメディアを縦横無尽に引用しまくってあのギャグマンガを創造した。つげ義春に対する論評も一級品。

夜、さいたま国際マラソンをビデオで観る。マラソンの季節になって楽しみが増えた。
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