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更新日:2017年11月29日

パピプペポ川柳と五・七・五を使ったコミュニケーション

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第2回
透明感女子と不器用なヤンキー

ターザン山本氏
ターザン
 主人公が女子高生だから物語の中心は思春期の女子の世界ですよね。でもそれは我々男からすると全く未知の領域じゃないですか。そういった彼女たちの日常や生態はどこからヒントを得ているの?
五十嵐
 そのあたりは・・・もう想像しかないですよね(笑)。一応、人気のマンガやアニメのキャラクターは参考にしていますが。
ターザン
 類似するキャラクターの中から見出すんだ。
五十嵐
 それに高校が舞台なので、同じ年代の男子が憧れる女子像、例えば七々子のような、大人し目の清楚な黒髪女子が最初に浮かぶイメージだと思うんですよね。そういった読者が思い描く理想をキャラクターに盛り込んでいきながら、女子の日常にせまっていく努力はしています。
ターザン
 それって『週刊少年マガジン』の読者層とピッタリハマるよね。
五十嵐
 そうですね。だけど男受けを狙いすぎるとかえってあざとくなり敬遠されてしまうので、ギリギリのラインを狙うようにしていますね。
ターザン
 この作品にはそういった嫌味がないよね。むしろ透明感があるじゃないですか。
五十嵐
 特に七々子に対して透明感は強く意識しています。
ターザン
 そのせいか七々子ちゃんは結構ドジなところも多いよね。
五十嵐
 その反面、料理や気配りは自然に出来るんですね。そういった点も含めて七々子というキャラクターが男子にとっての理想像になれることを目指して描いています。
ターザン
 この作品にはもう1人主役の不良男子がいますよね。
五十嵐
 毒島(ぶすじま)エイジ君ですね。
ターザン
 この名字がものすごく強烈だよね。濁音が2つも入っているからパンチがあるよ。
五十嵐
 実在する名字ですけれど、さすがに初見で「ぶすじま」とは読めなかったです。
ターザン
 この毒島くんはもともとヤンキーであり表向きはビースト系なんだけど、彼もまた不器用な子じゃない。この設定が七々子ちゃんと絶妙にマッチして魅力的な関係を築いてるよね。
五十嵐
 七々子の大和撫子的イメージとは正反対のキャラを相方に置いて、五・七・五が2人の共通のコミュニケーション、という設定は構想段階からありました。一番わかりやすいのがヤンキーだったので、まずは見た目で差をつけました。
ターザン
 この2人からは人ってそこまで器用に立ち回らなくていいんじゃないの、って思える素晴らしさが伝わってくるんだよね。だから読者もこのコンビには共感しているんじゃないですか。ちなみに作者からみて毒島くんは描きやすいキャラクターだと思う?
五十嵐
 日常シーンは割りと苦労して描いていますね。どうしてかというと、最初、不良らしい強面に描いたら、編集さんからもっと万人受けする優しい顔にしてくれって注文があったんです。以降はあまりガラが悪くならないように意識はするんですけれど、気を抜くとどうしても目つきが鋭くなってしまいます(笑)。
ターザン
 ケンカシーンとか、悪い連中と絡む場面はヤンキーっぽさが出せるけど、それ以外は外見を除けばいたって普通の男の子だもんね。オンとオフの使い分けに苦労しているんじゃないかと思いましたよ。でもこのヤンキーと不器用な男子高生っていう二面性の毒島くんを描ききることがこの作品のもう1つ大きなテーマなんじゃないのかな。
五十嵐
 そうかもしれないですね。
五十嵐正邦氏
ターザン
 この作品って他にも個性的なキャラクターが数多く登場するけれど、それぞれの使い分けが上手だから感心したんですよ。特に重要なのは七々子ちゃんと毒島くんが所属する文芸部のアマネ部長でさ、彼女ってある意味必殺のキャラクターじゃないですか?
五十嵐
 比較的どんなシチュエーションにも対応できるので困った時には彼女に登場してもらっていますね。
ターザン
 面倒見のいい先輩で普段はツッコミ役にまわることが多いんだけど、時には七々子ちゃんと毒島くんをストーカーしてみたり、自分からボケていくこともできるから、いい立ち位置にいますよね。
五十嵐
 部長は2人の主人公を一番近い距離でみているんです。だから読者目線に一番近い人物ともいえるんです。
ターザン
 それにさ、不意に顔のタッチが変わったりするじゃないですか。ああいうのは笑っちゃうよね。
五十嵐
 劇画チックな絵を時々差し込んで顔芸っぽく見せるのは王道のギャグですね。
ターザン
 表情もそうだし、全身をフルに使って日常空間にインパクトを与える存在ですよね。こういう表現は僕の性格とマッチするから好きなんですよ。今時の可愛い女の子がオーバーアクションをするミスマッチがたまらないよね。
五十嵐
 ギャグマンガ家としても彼女みたいなキャラクターが1人いるとすごく助けられるんですよね。
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この記事の中でご紹介した本
川柳少女(2)/講談社
川柳少女(2)
著 者:五十嵐 正邦
出版社:講談社
以下のオンライン書店でご購入できます
川柳少女(1)/講談社
川柳少女(1)
著 者:五十嵐 正邦
出版社:講談社
以下のオンライン書店でご購入できます
パピプペポ川柳傑作選 #0/リアリックス
パピプペポ川柳傑作選 #0
著 者:ターザン山本
出版社:リアリックス
以下のオンライン書店でご購入できます
川柳少女(3)/講談社
川柳少女(3)
著 者:五十嵐 正邦
出版社:講談社
以下のオンライン書店でご購入できます
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