【横尾 忠則】猫の前で煙草を喫う三島さんは猫に対する礼節が欠如している|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
マイページで記事のブックマーク!
ログイン
マイページ登録

トップページ

特集

書評

連載

コラム

ニュース

読書人とは マイページ

日常の向こう側ぼくの内側
更新日:2017年12月12日 / 新聞掲載日:2017年12月8日(第3218号)

猫の前で煙草を喫う三島さんは猫に対する礼節が欠如している

このエントリーをはてなブックマークに追加
2017.11.27
 優柔不断のとろい男と海外に行くことになるが空港のカウンターで旅行を取り止めにする夢。

朝、庭に出ると落葉が大量にさざ波のようにびっしり敷きつめられて風で押し寄せてくる。アトリエも樹木に囲まれているので同様の現象。

山田監督の新作映画のポスターの〆切に追われている。油絵で描いたために一向に進行しない。

「アイデア」のぼくの特集のミルコ・イリックのエッセイで、66年制作の「首吊り」の自主ポスターがニューヨークで5万2800ドル(約560万円)で売買されたというニュースと、台湾で刊行された自伝『波乱へ』が2013年度の「開巻好書獎」翻訳部門の文学大賞を受賞したと本書の装幀者の王さんがやはりエッセイの中で触れているが両方とも初めて知るニュースだ。

夕方、古書店キヌタ書房で『住生要集』と『野口体操』に五木寛之さんの14歳から60歳までの日記を買う。

2017.11.28
 池袋の西武デパートの店内で連れて来たタマがいない。こんなところで探しようがない。帰巣本能で帰ってくるだろうという発想は甘い。パニック状態になる。まあ夢でよかったけれど。

午前中、玉川病院の皮膚科へ。内も外も欠陥だらけ。病院の中庭のテラスでコンビニ弁当を食べていると次々と顔見知りの先生に会って、近況報告をする。

「ゲーテ」で猫特集の取材。土門拳さんが撮った三島由紀夫さんと猫の写真についての感想を求められる。猫の前で煙草を喫う三島さんは猫に対する礼節が欠如している。猫が主役の写真のはずだが、三島さんの心が猫から離れているような写真。

CTスキャンによる筆者の脳の断面写真(玉川病院提供)
2017.11.29
 現在のアトリエよりうんと広いアトリエで4、5人の人達と話しているところへ、ぼくのラッキーカラーの黄緑色の蝶が飛んできて、宙を舞いながら何度も何度もぼくの指に止まる。そんな光景を愉しんでいる所へ、「トーサン、父さん、倒産!」と叫びながら走ってきたのは壇蜜さんだ。夢ってどうして非理屈っぽいんだろう。

さらに夢は続く。映画館のサイドのドアをそーっと開けると、目の前の座席に大島渚さんが座っていて、「横尾さん、篠田さんを探してくれますか?」と頼まれるが、どこの篠田さんかわからない、同業者の篠田正浩監督のことかなと思うが、どーやって探せばいいの。

今日は晴天でポカポカぬくい。関西ではこーいう日のことを「ぬくい」というんだよね。「暖かい」という意味。

この間から頭が痛いので、来客が引き上げてから、玉川病院へ。CTの結果は、この歳になると脳が縮んだり、空洞があってもおかしくないけれど、ビッシリつまっていると梅澤先生に評価される。漢方内科の木村先生に漢方薬の見直しを。この病院には内科、外科、整形外科、気管支科、泌尿科、耳鼻咽喉科、眼科、皮膚科、リハビリ科と各主治医の先生にお世話になっており、産婦人科以外ほとんど網羅しているように思う。

2017.11.30
 おでんのゲロンパの音で目が覚めると部屋中ゲロンパの海。そこへかっての飼猫達バーゴ、ミンネ、ルン、シェールらの猫がやってくる。「ゲロンパの音で目が覚める」ということは夢の中で目を覚ましたということになろうか。

パリに住む荒木経惟夫妻を訪ねる。「メシ食いに行かない?」と誘われて、黒人のオーナーの店へ入る。店の奥に大きい釜があって、その中はグツグツ煮たカレー。そこに揚げたフランスパンでカレーを掬って食べるのだが、この味は天下一品! 夢で味を知覚したことは初めてじゃなかったかな。

磯崎新さんから沖縄に住民登録までして移住したというメール。夢みたいな現実の話。

2017.12.1
 鹿児島から歩き始めてとうとう夕方になってしまった。いくつかの小さい村を通過したところで、お金もなく、腹がへってとうとう道端にへたってしまって、このままスーッと消えそうになる。そんな自分はいつの間にか十代の少女に変身してしまっていた、という変身譚夢。

「21_21」の高さん、斎藤さん来訪。イッセイ・ミヤケの「北村みどりさんから夫妻に」と腕時計二個プレゼントされる。

「東京人」から東京の夜についてのエッセイを頼まれた直後に、小一時間で書けてしまったので、早速原稿を送る。担当者を驚かそうと思ったのに終日外出だって、ガッカリ。

2017.12.2
 パリに住む大竹伸朗君(昨日は荒木)を夢の中で訪ねる。全く現実的な美術の話に終始。「食事に行こう」(これも荒木と同じ)と入ったフレンチレストランで、彼はインドのナンを注文。ナンの皮の部分が二つに割れていて中に野菜がたっぷり。美味そう! ぼくもこれにしよう。

夕方、成城整体院。頭、首、肩のマッサージで頭痛解消、スカッ!

2017.12.3
午前中足治療師中田先生来訪。「100まで生きて下さい。100歳で描く絵はその年齢の画家が少ないから誰も描かないのが描けます」

福岡国際マラソン観る。三位(日本人一位)の大迫ニューヒーローになるか?
このエントリーをはてなブックマークに追加
横尾 忠則 氏の関連記事
日常の向こう側ぼくの内側のその他の記事
日常の向こう側ぼくの内側をもっと見る >
芸術・娯楽 > 美術関連記事
美術の関連記事をもっと見る >