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漢字点心
更新日:2017年12月19日 / 新聞掲載日:2017年12月15日(第3219号)

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中学校のとき、「地歴部」というクラブに入っていた。念のために説明しておくと、「地歴」とは「地理歴史」の略。近年では、歴史好きの女性のことを「歴女(れきじょ)」というが、これも、「歴」一文字で「歴史」を表す例である。

また、「経歴」「履歴」「来歴」「学歴」「社歴」「彼女いない歴」などなどでは、「歴」は、「これまでの経験」を表す。「歴」とは、かように過去のイメージが強い漢字なのだ。

しかし、「首相が東南アジア歴訪に出発する」になると、明らかに過去の話ではない。「歴訪」とは、「いくつかの場所を次々に訪ねる」こと。つまり、「歴」という漢字の本質は、「時間の流れとともにできごとが積み重なる」ところにあって、それは過去のこととは限らないのだ。

過去と未来を切り離して考えると、時にはものごとの本質を見失うことがある。漢字「歴」は、そんなことをぼくたちに教えてくれているようである。
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