若き研究者の悩みに答えるかたちで 山本貴光・服部徹也対談スピンオフ! 来たるべき文学のために 『文学問題(F+f)+』 刊行を機に|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2018年1月9日

若き研究者の悩みに答えるかたちで
山本貴光・服部徹也対談スピンオフ! 来たるべき文学のために 『文学問題(F+f)+』 刊行を機に

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第2回
■一緒に面白がれる問いを立てる

服部
山本さんと吉川浩満さんの共著『問題がモンダイなのだ』(ちくまプリマー新書)では、過去の問題を捉え返し新たな問題を作り出すことには、今まで自動化、意識していないところでやっていたことから身を剥がして自由に生きることにつながっていく糸口がある、とお書きですね。適切な問いを立てるのは非常に難しい、だから過去にどういう問題が書かれていたのかと何度も遡っていくことが重要なのだと。
山本
私たちは「問いを立てる」と簡単に言いますが、実は問いを立てるのは結構難しいと思うんです。そのときまさにご指摘のように、これまでどんなことが問われてきたか、また、今も問うに値する問題とはどういうものかを知るためにも、先行例を見ることがとても重要です。結果も大事ですが、問い方にも注意してみるわけですね。今回の『文学問題』は、そういう問いを探して見つけて面白がるための、一つの事例としてもお読みいただけるかもしれません。

ついでながらこの本の発想はGoogle式と勝手に呼んでいるやり方、つまり完成した状態提供するというよりは、まだ不完全かもしれないけれど、まずは一回出すからみんな使ってみてよ、なんかあったらフィードバックくれればヴァージョンアップするよ、というスタンスなんです。つくったものを問いに開いておくといってもよいかもしれません。
最後にもう一つ言うと、文学なら文学について「これは一体なんだろうね」と一緒に面白がる人が増えるといいなと思いながら書きました。今回私は一一〇年前の漱石から勝手に問いを受け取りました。それを誰かがまた面白がって受け取ってくれたらいいなと。学校で講義をするうちに気がついたことがあります。学生たちにこれがオススメだよと本を勧めるのもいいけれど、もっといいのは私自身がその本をどんなふうに楽しんだり驚いたりしたかを伝えることです。誰かが楽しんでいる姿を見て、自分も読んでみたいという気持ちをそそられるということがあるのですね。欲望が感染すると申しましょうか。この本も「私はこんなふうに面白がりました」と、そういうつもりで出したんです。 
服部
面白さを押しつけない。読者も「自己本位」で面白がってください、ということですね(笑)。本日はありがとうございました。
(おわり)
CAFE SOSEKI 東京都新宿区早稲田南町7 営業10:00~17:00

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この記事の中でご紹介した本
文学問題(F+f)+ /幻戯書房
文学問題(F+f)+
著 者:山本 貴光
出版社:幻戯書房
以下のオンライン書店でご購入できます
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