スノーデン 日本への警告 / エドワード・スノーデン(集英社新書)権力の濫用と腐敗の始まり|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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2018年1月8日

権力の濫用と腐敗の始まり

スノーデン 日本への警告
著 者:エドワード・スノーデン
出版社:集英社新書
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二〇〇一年九月一一日のアメリカ同時多発テロ事件以降、テロ防止の名の下に、アメリカ政府は技術発展の著しいインターネットを通じた大規模な監視体制を構築していました。ところが対象となっていたのはテロリストだけではなく全世界の一般市民すべてでした。

二〇一三年六月、これらの事実を暴露したのが元米情報局員のスノーデンでした。権力が際限のない監視を行い、それが秘密にされるとき、権力の濫用と腐敗が始まるのです。

O・ストーン監督の映画『スノーデン』のヒットと共謀罪の成立ともあいまって、本書は刊行直後から大きな注目を集めました。

本書では現在起きている深刻な事態や権力を監視するための方途をスノーデンが明快に解説。後半はスノーデンの顧問弁護士や、ジャーナリストら、日米の精鋭が、議論を多角的に深める内容となっています。

また、本書が今年四月に刊行された直後、スノーデンは日本に関連するリークを公表しました。その文書の中には特定の人物の検索履歴やセキュリティがかかった情報をも含む、ネット上のあらゆる情報を検索、閲覧できるXキースコアというシステムがアメリカ政府から日本政府に譲渡されたことが記されていました。

警備公安警察に詳しい本書の共著者青木理氏は、憲法で保障されている通信の秘密がなし崩し的に侵されている可能性を指摘し、警鐘を鳴らしています。しかし、日本政府はこのリークを出所の不明な情報として説明を拒んだままです。スノーデン本人は共同通信による亡命先のロシアでのインタビューに「米国政府も文書は本物だと認めている。日本政府が認めないのはばかげている」と答えています。

  (集英社新書編集部)
この記事の中でご紹介した本
スノーデン 日本への警告/集英社新書
スノーデン 日本への警告
著 者:エドワード・スノーデン
出版社:集英社新書
以下のオンライン書店でご購入できます
2018年1月5日 新聞掲載(第3221号)
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