『「不当逮捕」 築地警察交通取締りの罠』 同時代社より刊行|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2018年1月23日 / 新聞掲載日:2018年1月19日(第3223号)

『「不当逮捕」 築地警察交通取締りの罠』 同時代社より刊行

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林克明著『「不当逮捕」築地警察交通取締りの罠』が同時代社から刊行された。
四六判・246頁・本体1800円。

警察が「カラスは白い」と言ったらカラスは白くなる。そんな理不尽なことが起き、白いと言われたカラスは黒いカラスであるために9年1ヶ月戦わなければならなかった……。事件はほんの些細なことである。寿司店を営む夫婦が早朝の仕入れで築地の駐停車禁止の道路に車を止め、妻は車内で仕入れを終えて戻ってくる夫を待っていた。取り締まろうとした女性警察官が説明の途中からにわかにヒステリックになり、夫から暴力を受けたと緊急応援要請をして公務執行妨害で夫を逮捕、19日間の拘留となったのである。一般人にとって警察とのいざこざは、一方が権力の側にいるだけにあまりにも不利である。しかも、警察、検察、裁判所までが一連となって身内をかばう方向で結論を急ぐ。夫婦が体調を崩しながらも気力を振り絞って国家賠償訴訟を戦い抜き、100パーセント納得はできないものの勝訴を勝ち取った迫真のドキュメントである。身近な出来事の中であるだけに権力の中に在る者が、いかに自身の都合のよいように事実を押し曲げていくのか、知っておきたい体質を本書は示してくれる。また、権力の持つこうした不条理を「出版」という形で世に伝えることができる、というこの国の持つ自由さにも少しばかりホッとさせられるのである。同時代社TEL:03-3261-3149
この記事の中でご紹介した本
「不当逮捕」 築地警察交通取締りの罠/同時代社
「不当逮捕」 築地警察交通取締りの罠
著 者:林 克明
出版社:同時代社
以下のオンライン書店でご購入できます
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