【横尾 忠則】展覧会の絵の追い込み自力と他力と狂気を!|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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日常の向こう側ぼくの内側
更新日:2018年2月6日 / 新聞掲載日:2018年2月2日(第3225号)

展覧会の絵の追い込み自力と他力と狂気を!

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アトリエにて香取慎吾さんと(撮影・徳永明美)
2018.1.22
 この冬一番の初雪が降るそうな。取材が始まると同時にアトリエを囲む森が煙り始め、正午過ぎには水墨画に変ってしまった。この間、画面いっぱい雪を降らした絵を描いたが、こんなに早く現実になろうとは! そんな雪の降り続ける中で、暑い国のインド音楽を聴く。ジョージ・ハリスン監修の「ハリ・クリシュナ」を。録音がよくないのか難聴の耳を癒すには至らず。

自転車をアトリエに残して、積雪を踏んで帰る。4年前の大雪時と比較して足の運びのおぼつかなさを実感。

2018.1.23
 片岡秀太郎さんとは久し振りだ。「舞台を観たいのですが、難聴が激しくてごぶさたしています。ところで息子さんの愛之助さんとお住いは一緒?当然別ですよね」。この夢がこのまま先方に伝われば申し分ないけれど、まさか秀太郎さんはぼくの夢を見てはれへんと思うんどすけどなあ。

一夜明ければ窓の外は雪国。おでんは窓際にかじりついて恐ろしいものを見るような顔をして理解に苦しんでいる表情を見せる。

杖をついてアトリエへ。着くなり瀬戸内さんのシェークされた意味不明の言葉が☎から聞こえてくる。「入院してたの? あゝそう、してなかった、そりゃよかった、美味しい苺送るからね」。しばらく☎をしないと病人にされてしまう。

風間君が来てくれて自宅とアトリエの雪かきをしてくれる。4年前の大雪の時は遊歩道の雪かきまでしたほどの体力があったが、今年は無理無理。

いよいよ展覧会の絵の追い込みに入っている。自力と他力と狂気を!

2018.1.24
 道路の雪が凍結していて滑り易い状態になっているので杖をつきつき出勤。

イースト・プレスの堅田さんがツイッターや単行本、雑誌などに発表した文の中から語録になりそーな言葉を採集した書籍を企画、その打合せに来訪。

中国で目下進行中の『芸術ウソつかない』の他に自伝『ぼくなりの遊び方、行き方』(筑摩書房)が、やはり中国の三社から出版のオファーが来ているが、その内の一番条件のいい出版社と交渉しましょうと筑摩さんの弁。

朝から突然左脇腹が咳、くしゃみ、笑うと痛む。こんなの聞いたことがない症状だ。明日病院へ行こう。何んだって躰の異変には病院だのみだ。

2018.1.25
 プリンセス天功さんから貰ったアイスクリームを河竹登志夫先生に出す。貰ってから時間が経ち過ぎて賞味期限が切れているのではないか? 河竹さんが口に入れる寸前に夢が終ってホッと一息。

次はオノ・ヨーコさんが「パフォーマンス用の眼鏡を探してくれない?」と。富山にいい眼鏡屋があります、手に入れましょう、と夢は実に根拠のないデタラメを平気で言うものだ。

玉川病院へ。ロビーでお客をさばいているおばさん「また入院ですか」だって。先ず胸のCTを撮って、ついでに眼が痒いので眼科へ。大半の病気は先生方と話をしている内に自然治癒されるものだ。

午後アトリエで最後の作品に筆を入れて未完ながら完成。

夕方、足もみマッサージ時に古傷が刺激を受け「痛ッ!」。

年末「芸術新潮」で香取慎吾さんと対談したが、その件は「芸新」が出るまでOFFだったのが本日解禁(写真参照)。

2018.1.26
 絵本を頼まれたが、自信のなさそうな老編集者、何を考えているのか、何がしたいのか、何を言いたいのかさっぱり不明。この老編集者こそ、この自分ではないのか? 夢の登場人物はほぼ自分の分身だと思えば間違いない。

木版画の依頼にギャラリー・アート・コンポジションの水谷さん来訪。他力本願でいる方が、向こうから思わぬ仕事が与えられる。そんな予測不能の運命の女神のお導きにおまかせが老年期の生き方じゃないかなあ。

昨日、足の古傷に受けたダメージが気になるので成城整形外科へ。以前の骨折時のレントゲンと変らず、一安心。

水谷さんから頂いた佃煮絶品!

2018.1.27
 道路が凍結したままなので、コースを変えてアトリエへ。

増田屋で釜揚うどんと天婦羅。帰路旧山田邸でコーヒーを飲みながら、大人になりたくない『ピーター・パンとウェンディ』を読んだ後、喜多見不動堂へ参る。急坂の途中からどすんとあぐらを組んだような富士山をしばらく眺望。

2018.1.28
 カルティエのアーティストの肖像画デヴィッド・リンチを描き忘れていたのを午前中に描き上げる。

リンチ繋がりで横浜まで映画「デヴィッド・リンチ:アートライフ」を山田洋次さんと観に行く。感想はないね。

今朝の朝日新聞の瀬戸内さんの「いのち」の書評のことで☎で話す。この小説が最後と触れまわっているが怪しいものだと話すと、「昨日あたりから、もうひとつ書くような気がしてきているのよ」だって。どうぞご随意に。
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