田原総一朗の取材ノート「「北朝鮮のほほえみ外交」」|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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田原総一朗の取材ノート
2018年2月20日

「北朝鮮のほほえみ外交」

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韓国の平昌で行なわれている冬季オリンピックが、世界の注目を集めている。北朝鮮のナンバー2であり、金正恩の妹である、金与正氏が開会式に出席したからである。

「北朝鮮のほほえみ外交」として、日本や米国は神経をとがらせている。

そもそも、北朝鮮は、いま、なぜ、このような強権的な「ほほえみ外交」を敢行したのか。

狙いは、米・日・韓の関係を分断し、韓国の文在寅大統領を北朝鮮ベースに抱き込むことにある、と思われている。

北朝鮮が強い経済制裁で相当追いつめられて、核・ミサイルを棚上げにした、南北対話、そして韓国からの経済援助を求めているのだと、米国の外交筋は捉えている。

与正氏は、文在寅大統領に兄の親書を手渡した。そして文在寅氏に、北朝鮮に来て、金正恩委員長と会談してほしい、と強く求めた。もちろん親書にも、そのことが求められていた。

文在寅氏は、大統領選挙のときから、南北首脳対話ということを打ち出していた。南北の融和が要である、とも表明していた。

文在寅氏は、与正氏の求めに、「条件を整えて実現しよう」と前向きな姿勢を示した。

それでは「条件」とは何なのか。文在寅氏は具体的には示さなかったが、日本の外務省筋では、「アメリカが北朝鮮と対話することを受け入れる」のが前提条件だと捉えている。そして、「北朝鮮が、核・ミサイルを廃棄しないかぎり、アメリカは対話を拒否する」と読んでいる。

文在寅氏は、アメリカが北朝鮮との対話を拒んだ場合に、北朝鮮訪問をやめるのだろうか。

その前に、実は韓国のオリンピックが終った後、米韓合同演習が実施されることになっている。そして北朝鮮は、米韓合同軍事演習を中止するように韓国に強く求めている。

文在寅氏は、この米韓合同軍事演習をどのように考えているのか。合同軍事演習を実施した後に、北朝鮮に行くということはあり得るのか。

ところで、ペンス米副大統領は、ワシントン・ポストとのインタビューで、「北朝鮮が望むのであれば、米国は対話する」と答えたようだ。トランプ大統領の姿勢は変ったのか。
2018年2月16日 新聞掲載(第3227号)
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