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漢字点心
2018年3月6日

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『老子』に、「道は一を生じ、一は二を生じ、二は三を生じ、三は万物を生ず」という一節がある。かくも重要な役割が与えられている「三」であってみれば、「一」や「二」と並んで、漢字の部首とされていてもおかしくはない。実際、大昔の中国で作られた辞書の中には、「三」という部首が立てられているものがある。

しかし、ではそこにどんな漢字が収められているかとなると、はなはだ心もとない。めずらしい漢字がたくさん載っていることで知られる、一三世紀の初めに作られた『五音篇海(ごおんへんかい)』という辞書を見ても、「三」を二つ上下に重ねた「」や、さらに複雑な「」が載っているが、残念ながら意味は書かれていないので、何のために作られた漢字なのかはわからない。

というわけで、現在の漢字の辞書では、「三」はそれ自身を部首とせず、部首を「一」とするのがふつうだ。しかたがない話ではあるが、ちょっともったいない気もする。(えんまんじ・じろう=編集者・ライター)
2018年3月2日 新聞掲載(第3229号)
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