田原総一朗の取材ノート「米朝対話と四月の日米首脳会談」|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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田原総一朗の取材ノート
2018年3月16日

米朝対話と四月の日米首脳会談

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トランプ大統領が、韓国の特別使節団と面会して、「五月までに北朝鮮の金正恩委員長に会う」と述べたという。これは、当然ながら大ニュースである。

韓国の特別使節団が北朝鮮を訪問して金正恩氏と会談したとき、金正恩氏は、「わが国の安全が保障されるならば、われわれは核兵器を保持する必要がない」と語ったという。

このときも大ニュースであった。しかも、金正恩氏は、米朝対話が進んでいる間は、核実験もICBMの発射もしない、と約束している。

しかし、こうした金正恩氏の表明に対して、日本政府は、北朝鮮のいうことなど、全く信用出来ない、と内外に強調して、徹底的に圧力をかけ続けるべきだ、と主張した。トランプ大統領も信用するはずがない、ともくり返し力説した。

日本政府が北朝鮮を全く信用していないのは、六カ国協議で北朝鮮に手痛い裏切られ方をしたからである。

二〇〇三年から、日・米・中・露・韓、そして北朝鮮の六カ国協議がはじめられた。これは、北朝鮮が核開発を行なわないことを前提に、北朝鮮にどのような経済協力をするかという協議であったが、北朝鮮は五カ国を裏切って密かに核開発を行ない、二〇〇六年に核実験を敢行したのである。

だから、日本政府は、アメリカが金正恩氏の提案に乗ることなどあり得ない、と捉えていたのだ。

その意味では、日本政府はトランプ大統領に裏切られたことになる。外務省筋は、日本はカヤの外に出されてしまったのだ、と捉えている。

四月に、安倍首相は訪米してトランプ大統領と会談することになっているが、安倍首相はトランプ大統領にどのような提案をするのだろうか。北朝鮮は全く信用出来ない国だということを強調するのだろうか。だが、そんなことをいっても、トランプ大統領にいい加減にあしらわれてしまうのではないか。

それにしても、米朝対話で、トランプ大統領は、金正恩委員長に、本当に核廃棄を約束させられるのか。外務省筋は、この点で大へん不安を抱いているのである。
2018年3月16日 新聞掲載(第3231号)
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