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更新日:2018年3月20日
/ 新聞掲載日:2018年3月16日(第3231号)
『微妙におかしな日本語』 草思社より刊行
神永曉(さとる)著『微妙におかしな日本語 ことばの結びつきの正解・不正解』が、草思社から刊行された。四六判・288頁・本体1500円。
「寸暇を惜しんで」という言い方と「寸暇を惜しまず」という使い方はどちらが正しいのであろうか?ことばとことばの繋がりがある程度固定化して使われる表現を言語学では「コロケーション(collocation)」と呼んでいるが、ことばは生き物であるだけに表現に揺れ(バリエーション)が生じてくる。文章をパソコンやスマホで簡単に変換して書くことが多くなっている現代では、ますます本来の正しい使われ方とは違う表現も多くなり、誤用して恥の上塗りをしてしまうこともありそうだ。
著者はわが国で最大と言われている「日本国語大辞典(小学館)」の編集に長年携わり、いまもまだ次の改定を見据えて言葉の海を渉猟し続けることば探しのプロである。
本書はどちらを使うべきか迷う例を147例、他に漢字の読み方で異なる表現となる例など、読み物としても面白く感じられることばを80例あまり紹介している。巻末の索引からも用例が探しやすく、日常、ことばを多く使う職業の人にとっては一読の価値のある書とも言えそうだが、辞典専門ではない出版社から出されているこの本を、エッセイ集として読むことも面白いかもしれない。
草思社TEL:03・4580・7676
「寸暇を惜しんで」という言い方と「寸暇を惜しまず」という使い方はどちらが正しいのであろうか?ことばとことばの繋がりがある程度固定化して使われる表現を言語学では「コロケーション(collocation)」と呼んでいるが、ことばは生き物であるだけに表現に揺れ(バリエーション)が生じてくる。文章をパソコンやスマホで簡単に変換して書くことが多くなっている現代では、ますます本来の正しい使われ方とは違う表現も多くなり、誤用して恥の上塗りをしてしまうこともありそうだ。
著者はわが国で最大と言われている「日本国語大辞典(小学館)」の編集に長年携わり、いまもまだ次の改定を見据えて言葉の海を渉猟し続けることば探しのプロである。
本書はどちらを使うべきか迷う例を147例、他に漢字の読み方で異なる表現となる例など、読み物としても面白く感じられることばを80例あまり紹介している。巻末の索引からも用例が探しやすく、日常、ことばを多く使う職業の人にとっては一読の価値のある書とも言えそうだが、辞典専門ではない出版社から出されているこの本を、エッセイ集として読むことも面白いかもしれない。
草思社TEL:03・4580・7676
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