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漢字点心
更新日:2018年4月17日 / 新聞掲載日:2018年4月13日(第3235号)

魚乱

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椎名誠のSF小説、『武装島田倉庫』の中で使われている漢字。舞台は、化学兵器によって突然変異を遂げた生物たちが跋扈する近未来。海には、巨大な口のまわりにおびただしい数の牙を生やし、中には体長が一五メートルにもなる恐ろしい魚が棲んでいる。その名前、「かみつきうお」を、椎名誠は「」と書き表している。

この二つの漢字、どちらも椎名誠の造字だろう。特に「」の方は、過去の辞書に載っていたとは思えない。なぜなら、「乱」は旧字体では「亂」と書くから、もし伝統的な漢字の辞書にこの字が出ているとすれば、その形は「魚へん」に「亂」となっていると想定されるからである。

とすれば、「かみつきうお」が暴れ回るこの作品の近未来は、我々が暮らしているこの世界の延長線上にある、ということになる。そう考えると、人類が取り返しのつかない過ちを犯してしまった後の世界の姿が、妙なリアリティを持って感じられるのである。
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