第37回土門拳賞 潮田登久子『本の景色BIBLIOTHECA』|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2018年4月27日 / 新聞掲載日:2018年5月4日(第3237号)

第37回土門拳賞 潮田登久子『本の景色BIBLIOTHECA』

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潮田 登久子氏
4月9日、東京・千代田区一ツ橋の如水会館で第37回土門拳賞の授賞式が行われた。受賞作は潮田登久子氏の『本の景色BIBLIOTHECA』(発行・ウシマオダ、発売・幻戯書房)。本書は潮田氏が95年から続けている「BIBLIOTHECA」シリーズの一冊で、氏が大学図書館、国立国会図書館、個人の住宅を訪ね、様々な運命を経て現在そこにある本とその本の置かれている環境を主題に撮影した写真集となっている。
選考委員を代表して写真家の鬼海弘雄氏は「作品を見た時に、本を撮っているよりも世界を撮っているような静かな目線を感じました。これが非常に気持ちよかったです。見事なのは夫の島尾伸三さんが手がけた造本が素晴らしい。写真集は情報の塊ではなく持った時に世界を掌で包むことがあります。彼の愛情に溢れた、憎しみに溢れたパトスが形になっている」と絶賛し、「表現は面倒くさい、時間がかかる部分がないとなかなか形にならない。時間がかかるということは自分の関心を発酵させることでもある。潮田さんは光を見て、一番美しい世界を見ようと自分の心を静かにしてシャッターを押している。それが皆さんに波紋が広がるように撮っているので単なる情報に終わらない。一つの宇宙を撮ってくれました」と選評を述べた。
本の景色(潮田 登久子)幻戯書房
本の景色
潮田 登久子
幻戯書房
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潮田氏は受賞について「青天の霹靂です。2月の末に受賞の知らせをもらい衝撃を受けました。それから頭がくらくらして今日ここに立っている感じです」と語り、きっかけとなったみすず書房の旧社屋で見た白い本のこと、早稲田大学図書館で撮影した本の写真を司書に見せた時に「うちの図書館にお金がないことが世の中に知られてしまう」との反応に対して「これで行ける!」と一筋の光が見えたこと、国立国会図書館の修復室でのこと、貴重書を手に取った時のことなど撮影時のエピソードを披露し「長い時間をかけて作ったものが土門拳賞というご褒美をいただけて幸せな気分です」と喜びを述べた。(受賞作品「本の景色BIBLIOTHECA潮田登久子写真展」5月24日~30日まで、ニコンプラザ大阪THE GALLERY)
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