講談社3賞 贈呈式開催|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2016年9月30日 / 新聞掲載日:2016年9月30日(第3158号)

講談社3賞 贈呈式開催

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9月15日、講談社3賞の贈呈式・祝賀会が東京・一ツ橋の如水会館で行われた。第38回講談社ノンフィクション賞を『つかこうへい正伝 1968―1982』(新潮社)の長谷川康夫氏、第32回講談社エッセイ賞を『言葉を離れる』(青土社)の横尾忠則氏、第32回講談社科学出版賞を『ウイルスは生きている』(講談社)の中屋敷均氏がそれぞれ受賞した。

受賞者の挨拶では、3人ともに「挨拶は2分で」と主催側から念を押されていると前置きした上で、長谷川氏は「今回の受賞を一番喜んでくれているのは、天国のつかこうへいです、と収めれば一番良いのでしょうけれど、まったくそういう人ではありません。誰のおかげでお前がその席に偉そうな顔していられるんだよ、という声がさっきから聞こえています。もう一回、そういうことを言われてみたかったなと思っています。つかさんが生きていたら僕がこんな本を書くことは決してなかったので、複雑で居心地が悪い気持ちです。でも、つかこうへいという人は口ではグズグズ言っても、自分が話題になることが何より大好きな人だったので喜んでくれていると思います」と喜びを述べた。

言葉を離れる(横尾 忠則)青土社
言葉を離れる
横尾 忠則
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次に横尾氏は「選考委員の坪内祐三さんが選評の中で書かれているのですが、三島賞をもらった方と僕が同じ歳だそうです。1936年生まれの80歳で、2人の年寄りが今頃こういう賞をもらったのが珍しいのかなと思っています。三島賞の方は授賞式で書いたものを読まれたそうです。受賞の挨拶でわざわざ書いたものを読むのも変だなと思いましたけれど、おもしろいとも思いました。だから僕も書いたものを持って来たんですけれども、読むべきかどうするべきか迷っています。というのも既に2分経っていて、読もうと思ったけれど止めます」と会場の笑いを誘い受賞の挨拶を述べた。





最後に中屋敷氏は「私は少し前まで出版業界とまったく縁のない生活を送っていました。2014年に一般書を出した時に驚いたのは、出版業界では理系の研究者は文章が書けないと常識のように言われていることでした。私の知る限りではそれは正しくはなくて、理系の先生の中にも書かれる先生がおられます。書くべき人が本を書かない答えは簡単で、書いても誰も褒めてくれないからです。理系の研究者にとって一番大事なことは研究費を稼いで自分の研究を遂行することです。論文も書かないといけないので一般書を書いていると、お前は何をやっているんだ、と見られてしまう。ただ賞をいただくと状況が一変しまして、同僚も祝福してくれて、学部長からも褒めてもらえました。だからこの賞が普通の研究者の褒められない部分を褒めてあげるような賞であっていただきたいと思っています」と語った。
左より、長谷川康夫氏、横尾忠則氏、中屋敷均氏

下記に横尾氏が受賞挨拶で読むはずであった原稿の全文を掲載する。
〈先ずへーって感じでした。僕は今突発性難聴で人との会話が不充分で、自分の声も音声じゃなく音響化しています。

「言葉を離れる」なんて題名の本を書くから、言葉からの復讐を受けたのかも知れません。

本の内容は如何に本を読まなかったかという内容で、10代はさっぱり、20代から40代まではデザインの本職が忙しく年に一、二冊がやっとでした。
45才に画家転向してからそろそろ読み始めましたが、慣れてないので、すぐ飽きてしまいました。
教養や知性を身につけるためには読書は必須だといいますが、フェリーニは50才まで本を読まなかった、ピカソもあんまり読まない、ウォーホルは新聞だけ、しかも写真しかみない。だけど三人共素晴しい作品を残しています。
ぼくは美術が仕事です。そのために感性と創造、そして肉体感覚が重要です。
そんな言葉を離れた者の書いた本に賞が与えられたなんて、非常にてれくさいです。〉
この記事の中でご紹介した本
つかこうへい正伝 1968―1982/新潮社
つかこうへい正伝 1968―1982
著 者:長谷川 康夫
出版社:新潮社
以下のオンライン書店でご購入できます
言葉を離れる/青土社
言葉を離れる
著 者:横尾 忠則
出版社:青土社
以下のオンライン書店でご購入できます
ウイルスは生きている/講談社
ウイルスは生きている
著 者:中屋敷 均
出版社:講談社
以下のオンライン書店でご購入できます
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