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2018年5月25日

第26回 小川未明文学賞 授賞式開催

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左より、ちばるりこ氏、土屋千鶴氏
第26回小川未明文学賞の授賞式が、3月28日東京都品川の学研ビル内で行われた。小川未明文学賞は、新しい時代にふさわしい創作児童文学作品を輩出する目的で創設され、今年度は応募総数476編の中から、ちばるりこ「供養絵―心寄り添い人」が大賞を、土屋千鶴「瀬戸内少年記―海人とルソン」が優秀賞を受賞した。

最終選考委員を代表して、ねじめ正一氏が講評を述べた。「今年ほど、選考委員の一押しがバラバラということはなかった。そのうちに、「神さまの名前」「瀬戸内少年記」「ウソはコーヒーゼリーの味」「供養絵」の4作品に絞られましたが、その先もさらに時間がかかりました(笑)。最後に残った2作品は、どちらが大賞をとってもおかしくなかった。ちばさんの作品は、それほど達者ではないけれど、一生懸命言葉を手繰り寄せようとする一途さを感じました。また遠野を舞台とする作品ですが、民俗学を含めた用意された世界に寄りかかっていないところがよかった。一方の土屋さんの作品は、丁寧で正確な描写力による完成度の高いもの。2作ともすばらしい作品だったと思っています」

受賞者あいさつでは、ちば氏が「ふるさと岩手の豊かな自然と風土が創作の源になっています。初めて供養絵を見たとき感動して、これをいつか書いてみたいと思いました」と話した。続いて土屋氏は「この物語を書く上で、主人公の少年の行動や気持ちのほかに、主人公が眺めた瀬戸内の情景を描くことに力を注ぎました。私は学生時代から短歌を作ってきましたが、これは短歌の情景描写に通じるものだと思います。また、瀬戸内海の島々は、古くから海外交易をおこない、豊かな国際性を持つ、多様な文化を受け入れる風土の中で、島の少年が外国の少年と心を通わせ、互いに相手を受け入れる、そういう人間どうしのつながりを、少年たちの友情というかたちで描きました」と話した。

第27回の本賞の応募締切は10月31日。詳しくは本賞HPへ。
2018年5月25日 新聞掲載(第3240号)
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