田原総一朗の取材ノート「嘘がリアリティを帯びてくる」|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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田原総一朗の取材ノート
更新日:2018年6月5日 / 新聞掲載日:2018年6月1日(第3241号)

嘘がリアリティを帯びてくる

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五月二二日に、新聞各紙がいっせいに大きく報じた。

二〇一五年二月二五日に、安倍晋三首相が、加計孝太郎氏と面会していた、という記録が愛媛県の文書にあった、というのである。

加計氏が、獣医学部の新設を目指していることを説明すると、安倍首相は「それはいい考えだ」と積極的に応じたという。

さらに、実は、その前に、加計学園側が、当時官房副長官だった加藤勝信氏に会って、獣医学部の設置が「厳しい状況にある」と話しているのである。加藤氏は、記者会見で、そのことを認めている。

そして、安倍首相が二〇一五年の二月に加計理事長に会っていたとなると、全てが、きわめてリアリティを帯びてくることになる。

五月一〇日の、衆参両院の予算委員会で、参考人として国会に呼ばれた柳瀬唯夫・元首相秘書官が、二〇一五年の三月から、三回にわたって加計関係者と会っていたことがわかった。

少なからぬ大学が獣医学部の新設を政府に申請している中で、加計関係者とだけ、しかも三回も会うというのは、どう考えてもえこひいきであり、表沙汰になれば、あきらかに問題になる。

しかも、柳瀬氏は、首相から、一切指示も受けていないし、報告もしていない、というのである。

こうした答弁は、あまりにも唐突で説得力がない。

だが、安倍首相が、二月二五日に加計理事長と会い、加計の思惑に積極的に対応していたとなると、柳瀬氏の行動が全て納得できる。柳瀬氏は、安倍首相の指示を受けて、加計の目論見を実現させるために頑張っていたわけだ。

しかし、安倍首相が、二月二五日に加計理事長と会っていたとなると、国会で、二〇一七年一月二〇日まで、何も知らなかったといったのは、ウソだということになる。

五月二五日に、今治市長も、市の担当者から、愛媛県の文書と同じ趣旨の報告を受けていたことを明らかにした。こうなると、安倍首相のウソがリアリティを帯びてくるが、さて、この問題、どうなるのか。
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