田原総一朗の取材ノート「メディアの手抜きではないのか?」|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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田原総一朗の取材ノート
更新日:2018年7月3日 / 新聞掲載日:2018年6月29日(第3245号)

メディアの手抜きではないのか?

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このところ、なぜか、と疑問に思う事件がしばしば起きている。

たとえば、六月一九日に、加計学園の理事長が、突然、岡山で地元メディアだけを呼んで記者会見をした。二〇一五年二月二五日に、安倍首相と会談したというのはウソで、獣医学部問題が停滞していたので、それを進展させるために、愛媛県の今治市に、会談したと報告した。しかも、事務局長が勝手にやったことで、理事長は後で知ったのだという。あまりリアリティは感じられなかったが、地元メディアだけなので、質問もあまく、多くの疑問が残った。

ところが、その後、どの新聞もテレビも理事長を追加取材していないのである。こういう場合は、理事長の家に夜討ち朝駆けをするのが常套なのだが、どこもそれをやっていなさそうなのだ。

また、国会で参考人として出席したがん患者にやじを飛ばして、顰蹙を買った、自民党の自民党の穴見陽一衆議院議員に対しても、どのメディアも取材をしていない。つまり夜討ち朝駆けをやっていないのである。

これは、メディアとしては手抜きではないのか。

実は、こうした取材の手抜きが近頃多くなっているのである。

そこで、何人かの親しいベテランの新聞記者に、そのことを問うた。

すると、誰もが苦笑して、「実は働き方改革のためだ」と説明した。

どの新聞社も、残業を減らせ、ということで取材を制限しているのだというのである。

そういえば、政府も、しきりに残業を少なくせよと主張している。去年、過労で、自殺したり、死亡したケースが問題となったためである。

残業を減らせ、というのはわかるが、そのために取材を制限するというのはどうなのか。

もちろん、取材を制限しないためには、記者を増やさなければならないのだが、どの新聞も部数が落ちていて、むしろ記者を減らしたいのが実状だというのである。

どうすればよいのか、大きな問題である。
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