【横尾 忠則】福沢一郎先生、大林宣彦さんの生命エネルギー!|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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日常の向こう側ぼくの内側
更新日:2018年7月3日 / 新聞掲載日:2018年6月29日(第3245号)

福沢一郎先生、大林宣彦さんの生命エネルギー!

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デヴィッド・ボウイと
2018.6.18
 大阪に地震発生。京都にも余波が、と思って瀬戸内さんに電話。「皆んな騒いでいたけれど地震は知らなかった」。暢気なのか、大したことがなかったのか、話題は他に移る。この間、お墓のデザインを頼まれたかと思うと、今度はおにぎりの包装のデザインを頼まれる。「ハイ、ハイ、何んでもやらせていただきます」。おにぎりを食べて元気に墓に入ろうって感じかな。「臨終の時はわざわざ電報打たないから、来なくてもいいわよ」。今どき電報とはレトロな話だけれど、こーいう時はやっぱり弔電を打つものかなあ。「何んにもしゃべらなくてもいいから、前の一番いい席に座っていてくれればいいの」。いつのことですか?「そうね、来年くらいかなあ」。いつまでも長生きを。

「文學界」の清水さんが平野啓一郎さんのデビュー20周年特集でエッセイをと。プライベートの素顔なら書けます。
デヴィッド・ボウイと
咽が痛いので漢方医へ。血圧上が150にはびっくり。計り直すと120。都合のいい方を信じよう。

NPO法人日本聴覚障害者芸術協会の事務局長来訪。ぼくだって立派な社会的障害者と病院で太鼓判を押されているけれど、余計なこと聴く必要がないので現状で満足しています。聴覚障害者の描く絵は全然暗くない。むしろ明るい。

先週、ヘレンさんが送って来たD・ボウイとの2ショットは「もしかしたら夢の中で撮られた写真では?」と本紙の角南さんの言葉で思い出したことがある。以前パーティで彼に会った夢を見たことがあったが、そーいえばこの写真はパーティの会場で撮られた写真のようだ(写真参照)。

2018.6.19
 〈自転車で走っている時、「横尾さん!」とやはり自転車に乗った磯﨑憲一郎さんが声を掛けてきた〉。夢でまですれ違う2人は一体何んなの? 「週刊新潮」のグラビア「とっておき私の京都」に磯﨑さんが毎週出ている。「横尾さんにも出て欲しいと言ってますよ、編集者に話してもいいですか?」

2018.6.20
 「週刊新潮」の「とっておき私の…」の依頼を受ける。行くなら京都の庭園探訪がいいなあ。

昨日から風邪気味。片端から色んな自己流を駆使して強引に治癒に成功。

夜、朝日新聞書評委員会へ。ちょっと早い土用のうなぎの夕食に張り切って『万引き家族』の書評を一気に書く。

上海当代芸術博物館、館長のゴン・ヤンさんと(撮影・徳永明美)
2018.6.21
 難聴だというのにアトリエで時々人の声が聴こえる。空耳を聴く技術をマスターしたのかな?

上海当代芸術博物館(現代美術館)の館長以下4人と神戸から山本さんも合流。ポンピドゥーほどのスケールの大きい美術館だ。最大の個展を計画したいと。新作の制作を考えると東京オリンピックの年は避けて2021年春を希望したい。それでも準備期間は2年半。個展に合わせて小説『ぶるうらんど』の出版も考慮したいと。目下、自伝の出版も進行中。人生最後のお祭りと思えばしたいことをするのがいい。

深夜、おでんがネズミを取ってベッドへ。ネズミはわが家のペットじゃないぞ。

2018.6.22
 昨夜のネズミはまだ寝室にいるみたい。

今朝、また磯﨑さんとバッタリ。これは夢ではない現実だ。彼は自分の散歩ではなく犬の散歩だそーだ。だから思わぬ場所で会う。石原裕次郎さんの家の前。

山下裕二さんとNHK、日経新聞の人達と「奇想の画家」展の販売用のポスターの依頼に。B全倍の大きさがいい。

2018.6.23
 隣町の福沢一郎記念館へ妻と。ご長男の一也さんが2月に逝去されて初めて伺う。福沢一郎先生は94歳で亡くなられるまで現役で、80代でも巨大な壁画サイズの絵を描いておられたそーだ。フランス、メキシコ、ニューヨークに長期滞在して、各国の様式を導入しながら、聖書、日本神話、ギリシャ神話、ダンテ「神曲」、「往生要集」、人類の歴史へと変化していく。その多岐に亘る題材をダイナミックな表現で描いてこられた。初期のシュルレアリスムの作品はエルンストのコラージュを下敷にした絵画作品で今見ても新鮮だ。美味しいコーヒーと自家製のケーキを頂きながら2時間も長居してしまった。

福沢先生のエネルギーに圧倒され、アトリエに帰って早速大きいキャンバスに取りかかる。生前、先生にお会いしなかったことはチョッピリ後悔はあるが、今新たな出会いをしたような気がする。

山田洋次さん、大林宣彦さんと(撮影・最首いずみ)
2018.6.24
 〈自分でも驚くほどマラソンで優勝する自信があった。そんなぼくを見抜いた大島渚さんはぼくをイの一番に推薦してくれたがオリンピック選考委員会はぼくを落とした〉。そんな夢を見た。

山田さんが大林宣彦さんをアトリエに案内。近くに住みながら50年間一度も出会ったことがない。余命を宣告されて一作、今再び次回作を撮るために尾道へ。自分では死ぬ気がしないという生命エネルギーが延命の原因に違いない。昨日の福沢先生、今日の大林さん、両者から創造エネルギーを注入される。
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