「文藝もず」第一九号|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
マイページで記事のブックマーク!
ログイン
マイページ登録

トップページ

特集

書評

連載

コラム

ニュース

読書人とは マイページ

出版メモ
更新日:2018年7月17日 / 新聞掲載日:2018年7月13日(第3247号)

「文藝もず」第一九号

このエントリーをはてなブックマークに追加
「文藝もず」第一九号
菊池寛の生誕百三十年・没後七十年の節目に発行。新発見資料として昨年公開した、菊池寛の直筆原稿「妖妻記」を、金森観陽の挿絵と共に全文掲載。またその解説を、青山学院大学教授で菊池寛研究の第一人者、片山宏行氏が寄稿。

他にも、「菊池寛と親友作家の家族」(植村鞆音〈直木三十五甥〉×吉川英明〈吉川英治長男〉×菊池夏樹〈菊池寛孫〉)と題した座談会を載録する。菊池氏が冒頭「ここが、どこかの応接間だと思ってください」と語り出すように、かつての文学界を動かした三氏の身内からの話は、面白く人情深く、古き良き日本を感じさせるものだった。例えば直木が菊池からお金をもらったシーン。〈菊池寛が、「君、寒そうじゃないか」と言って、自分の着ていたマントを着せかけてくれたらしいんですね、別れる時に。(略)そうしたらそのポケットに、やっぱりお札が忍ばせてあったらしいです(植村)〉。また、吉川氏は〈父が、「宮本武蔵」という小説を書いたのは、直木三十五のおかげだ、と言っているんですよ〉と、そして〈直木さんと僕とは戦友だ。当時純文学と大衆文学というのは、大衆文学が一段下にみられていたのを、直木は戦った。僕も戦った〉との追悼文を紹介した。競馬、ディズニーランド、くしゃくしゃのお金の話など、一読の価値あり。

また第五三回香川菊池寛賞受賞作(藤田享美)と奨励賞(雅天我)、ジュニア賞の全文を掲載。奨励賞作は、滑舌の悪い宮里としゅどう(須藤)の友情を描く。現代が映し出されていると感じた。(高松市菊池寛記念館発行:高松市昭和町一丁目二―二〇/電話:〇八七―八六一―四五〇二)
このエントリーをはてなブックマークに追加
出版メモのその他の記事
出版メモをもっと見る >
学問・人文 > 文学関連記事
文学の関連記事をもっと見る >