大前 粟生著 回転草|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2018年7月14日 / 新聞掲載日:2018年7月13日(第3247号)

大前 粟生著 回転草

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回転草(大前 粟生)書肆侃侃房
回転草
大前 粟生
書肆侃侃房
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西部劇でおなじみの決闘シーン。その画面を横切り、風に流され転がっていく回転草。そのまま転がり続けて外に出た僕=回転草は、隕石の落下によって遠くにまで飛ばされ、そこで大学時代の友人と出会うこととなる(「回転草」)。

福岡の出版社、書肆侃侃房から刊行されている文芸誌「たべるのがおそい」に掲載されて話題となった表題作をはじめ、GRANTA JAPAN with 早稲田文学公募プロジェクト最優秀作に選ばれ、作家デビュー作となった、キリンになった恋人を解体する物語「彼女をバスタブに入れて燃やす」や、息子が友人に文鳥をもらってきてからのおよそ一日の描写が複数の視点から描かれることで、風景がまったく異なって見えてくる「文鳥」など、どれも短いながらもなかなかに形容しがたい面白さを持った短篇が並ぶ。それらに共通してあるのは、一見荒唐無稽な狂気を孕んだストーリー、グロテスクとも言えるほどの描写、それらが突き抜けた先ににじみ出てくるユーモア、そして通奏低音のように流れ続ける絶望感などである。

幻想文学やシュルレアリスム文学などを好む読者をはじめ、さらには柴田元幸氏や岸本佐知子氏などによる、奇妙な味わいを持った翻訳作品が好きな読者におすすめの作品集である。
(四六判・二一六頁・一五〇〇円・書肆侃侃房)
この記事の中でご紹介した本
回転草/書肆侃侃房
回転草
著 者:大前 粟生
出版社:書肆侃侃房
以下のオンライン書店でご購入できます
「回転草」出版社のホームページはこちら
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