ドキュメント 緊迫する〈東大紛争〉 渦中から再び問題点を探る|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2018年7月19日

ドキュメント
緊迫する〈東大紛争〉
渦中から再び問題点を探る

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第3回
衝突回避への強い要望 予備折衝にこぎつけるまでの経過は
3 封鎖・乱闘・予備折衝

全学共闘会議が大衆団交と七項目要求の貫徹手段として拡大してきた建物の封鎖戦術は、11月中旬までには本部(時計台)をはじめとして医・工・文・教の各学部の大部分、教養学部や社会系大学院文化人類学コースなどの研究室に及んでいった。共闘会議は封鎖戦術をどのように位置づけているか。工学部は応用化学科のある一号館などを除いて大半が封鎖状態にあるが、航空学科のある七号館の11月13日の『封鎖宣言』(航空学科ストライキ実行委員会)はつぎのように述べている。
「既成の管理体制からの解放と、過去の否定を志し新たな創造の場を我々の掌中にすべく、院生、職員の方へ、その研究、職務を全面ストップされる事を敢えて強要したのだ。我々はこの方策をひつようとしたし、必然性を以て決行したのである」
この封鎖戦術はやがて全学バリケード、全学封鎖が呼号され、その前哨戦は、全学が利用する中央図書館封鎖を、前日に予告する立て看板を掲げた。11月12日夜、図書館封鎖をめぐって、共闘会議とこれに反対する東大民主化行動委員会との間の乱闘がおこる。この衝突についてはマスコミで大きく取り扱われたほか、双方の当事者によるそれぞれのレポートがある。
共闘会がわの文学部スト案のビラ(11月13日)は「日共=民青の陋劣な反トロ策動”封鎖反対”なる策動を実力をもって粉砕し、図書館を含む全学バリケード封鎖貫徹のために進撃を開始しなければならない。今や局面は当局に対する全面的対決によって、彼らの収拾策動の枠をうちこわし、七項目を革命的に貫徹しなければならぬ」と言う。
これに対して封鎖反対のピケをはった民主化行動委に人員を派遣して支援した全学連・都学連は「正当防衛権を行使し、ついにかれらを撃退し、全学封鎖の陰謀を阻止した」(11月13日)とのビラで答えた。さらに14日の東大駒場の教養学部自然科学系研究寮の封鎖戦術が阻止されたことから、両者による全国の学生への動員合戦が展開され、18日全共闘会議の「全学封鎖バリケード貫徹総集会」での大きな衝突が憂慮された。
18日の激突だけはどのようなことがあっても回避すべきだとする学内の教官の強い要望で、加藤一郎総長代行は15日共闘会議と「統一代表団準備会」(民主化行動委)へつぎの申し入れをした。
「早急に全学集会を開催する方針で準備を進めている。われわれはこの集会で、従来の経過や慣例にとらわれず”七項目の要求”および学生・院生諸君の提起している他の要求項目についてわれわれの立場を率直に表明し、諸君と誠意をもって討議する用意がある。また集会は一回に限ることなく、くりかえし行うことも考えている。集会の学生議長団の編成については、学生自治の問題と考えるので、学生・院生の間で話し合って決めて欲しい。」
これをきっかけに加藤代行は、18日の共闘会議と、19日統一代表団準備会と全学集会のための公開予備折衝をおこなった。しかし、代行はいまもって、処分権は各学部教授会にある、大学の決定機構の改革は紛争処理後の問題である、との見解を変えていない。
真に全学的な集会を実現して東大の再生をしるすまでは、まだ緊迫の場をいくつかたどらなければならないだろう。
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