夏の文庫特集2018 文庫と僕。 矢部太郎さんが文庫を買う!|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2018年8月3日 / 新聞掲載日:2018年8月3日(第3250号)

夏の文庫特集2018
文庫と僕。
矢部太郎さんが文庫を買う!

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カバンに一冊放り込んで、夏は文庫と出かけたい。夏の文庫特集、今年の「文庫を買う」にご登場いただいたのは、『大家さんと僕』(新潮社)で第二二回手塚治虫文化賞・短編賞を受賞したばかりの矢部太郎さん(カラテカ)。お笑い芸人の同賞受賞初、本職のマンガ家以外が作画した作品の受賞も初ということで大きな話題となり、快進撃を続ける『大家さんと僕』は、受賞後の重版で遂に五五万部に到達(二三刷、七月十一日付)。日本中をほっこりさせている。空手をはじめ、語学学習や気象予報士の資格取得など多才な矢部さんだが、もともと読書家で本書に登場する本好きの大家さんともよく本の話をするそう。気象観測史上初という六月中の梅雨明け宣言が出された真夏のような週末、「長袖着てきちゃった……」とつぶやく矢部さんに、ブックファースト新宿店で汗をかきかき選書していただいた。

〈矢部太郎さんが選ぶ! 文庫24選〉
▽マーク・トウェイン『トム・ソーヤーの冒険』(柴田元幸訳・新潮文庫)
▽手塚治虫『火の鳥1 黎明編』『火の鳥2 未来編』 (角川文庫)
▽エーリヒ・ケストナー『人生処方詩集』(小松太郎訳・岩波文庫)
▽カート・ヴォネガット『国のない男』(金原瑞人訳・中公文庫)
▽つげ義春『無能の人・日の戯れ』『義男の青春・別離』 (新潮文庫)
▽村田沙耶香『殺人出産』 (講談社文庫)
▽山崎ナオコーラ『人のセックスを笑うな』 (河出文庫)
▽高野秀行『謎の独立国家ソマリランド そして海賊国家 プントランドと戦国南部ソマリア』 (集英社文庫)
▽菊地成孔+大谷能生『東京大学のアルバート・アイラー東大ジャズ講義録・歴史編』『東京大学のアルバート・アイラー東大ジャズ講義録・キーワード編』(文春文庫)
▽シュペルヴィエル『海に住む少女』(永田千奈訳・光文社古典新訳文庫)
▽大山倍達『世界ケンカ旅』(徳間文庫)
▽森見登美彦『新釈 走れメロス 他四篇』(祥伝社文庫)
▽森見登美彦『有頂天家族』(幻冬舎文庫)
▽佐野洋子『あっちの豚こっちの豚/やせた子豚の一日』(小学館文庫)
▽佐野洋子『神も仏もありませぬ』(ちくま文庫)
▽黒柳徹子『窓ぎわのトットちゃん新組版』 (講談社文庫)
▽綿矢りさ『勝手にふるえてろ』 (文春文庫)
▽ドン・デリーロ『ボディ・アーティスト』(上岡伸雄訳・ちくま文庫)
▽ジェイムズ・P・ホーガン『星を継ぐもの』(池央耿訳・創元SF文庫)
▽柳澤健『1993年の女子プロレス』 (双葉文庫)
▽町田康『町田康詩集』(ハルキ文庫)
第1回
矢部太郎さんが文庫を買う!(1)

●マーク・トウェイン『トム・ソーヤーの冒険』(柴田元幸訳・六三〇円・新潮文庫)
「トム・ソーヤー」を新訳で読んでみたかったんです。この本は柴田元幸さんの新訳・名作コレクションの一冊なんですね。柴田元幸さんの訳された海外小説は間違いない気がします。しかし、柴田元幸さんってすごい仕事量ですね。今年の夏はこの名作を読んで過ごしたいなと思いました。
●手塚治虫『火の鳥1 黎明編』『火の鳥2 未来編』(各八八〇円・角川文庫)
火の鳥1 黎明編(手塚 治虫)KADOKAWA
火の鳥1 黎明編
手塚 治虫
KADOKAWA
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火の鳥2 未来編(手塚 治虫)KADOKAWA
火の鳥2 未来編
手塚 治虫
KADOKAWA
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ああ、新装版出た! これ欲しいです。この新装版は、今日マチ子さんやしりあがり寿さんなど、いろんな漫画家さんがトリビュート漫画を解説のような形で書き下ろしていて、絶対欲しいと思っていたんです。実は手塚治虫文化賞・短編賞をいただいて、改めて読もうと最近買い揃えたところだったのですが、「また新装版出るんかい!」と(苦笑)。『火の鳥』は手塚治虫さんの代表作ですよね。中学校の図書室に漫画だけど置いてありました。新装版はここから先も全部また出ると思うので、すごく楽しみです。『火の鳥』の中でもこの黎明篇と未来篇がすごく好きです。未来編はスケールがものすごくて、人類が滅びてもう一回地球をやり直して……みたいな、小さいこととかどうでもよくなる感じの話です。
●エーリヒ・ケストナー『人生処方詩集』(小松太郎訳・七二〇円・岩波文庫)

これ読みたいと思っていました。僕、ケストナーが好きなんです。児童文学になってしまいますが、『飛ぶ教室』や『ふたりのロッテ』(岩波少年文庫)は何回も読み返しましたし、『飛ぶ教室』が特に好きなのですが、小さい頃も大人になって読んでも、子どもの気持ちがすごくわかっていて、優しい語り口でいいですよね。文章も挿絵もすごく良くて、子どもの頃は図書館とかで借りて読んだのだと思いますが、大人向けの本も読みたいと思っていました。この詩集は処方箋のようになっていて、索引つきの「使用法」というところを見ると、こういう体調とか気持ちになったらこの詩を読むみたいになっているんですね。大都会がたまらなくいやになったら四五頁の詩を読むとか。これは効きそうです!
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