金子 文子著 何が私をこうさせたか 獄中手記 岩波文庫|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
マイページで記事のブックマーク!
ログイン
マイページ登録

トップページ

特集

書評

連載

コラム

ニュース

読書人とは マイページ

新刊
更新日:2018年8月6日 / 新聞掲載日:2018年8月3日(第3250号)

金子 文子著 何が私をこうさせたか 獄中手記
岩波文庫

このエントリーをはてなブックマークに追加
頭でつくった文章は古びることがある。だが、体でつかんだ言葉は時代を超え力をもつ。

金子文子は関東大震災直後に、朝鮮人の恋人朴烈とともに検束、大逆罪で死刑判決を受けた。恩赦が出るが拒否、そして獄中自死。亨年二三。残された手記が本書だ。

文子は無戸籍で、いわば「存在しない子」だった。性的にだらしない両親に振り回され、親族から虐待も受ける。長じては男も文子をもてあそんだ。だが、文子は打たれても打たれても「私自身」を生きることに素直であろうとした。虐げられる自分が悪いのか? いや違う、そうする社会こそ問題なのだ、と。

文子は世の中を知りたかった。学びたかった。傷ついた自分をいたわり、人を愛した。人間がもつ生きる力を、そのままに生ききることは、社会を変えていくエネルギーとなった。

文子の言葉は、百年という時を経て、今も熱い体温をもつ。(既刊、一二〇〇円・岩波書店)
この記事の中でご紹介した本
何が私をこうさせたか  獄中手記/岩波書店
何が私をこうさせたか  獄中手記
著 者:金子 文子
出版社:岩波書店
以下のオンライン書店でご購入できます
「何が私をこうさせたか  獄中手記」出版社のホームページはこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加
新刊のその他の記事
新刊をもっと見る >
社会・政治 > 事件・犯罪関連記事
事件・犯罪の関連記事をもっと見る >