荻原 浩著 金魚姫   角川文庫|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
マイページで記事のブックマーク!
ログイン
マイページ登録

トップページ

特集

書評

連載

コラム

ニュース

読書人とは マイページ

新刊
更新日:2018年8月6日 / 新聞掲載日:2018年8月3日(第3250号)

荻原 浩著 金魚姫  
角川文庫

このエントリーをはてなブックマークに追加
金魚姫(荻原 浩)KADOKAWA
金魚姫
荻原 浩
KADOKAWA
  • オンライン書店で買う
夏祭りの夜、生きる気力を失った男が一匹の金魚をすくったことから、物語は始まります。美女の姿になる琉金のリュウとうだつのあがらないサラリーマン・潤の同居生活、というと荒唐無稽に聞こえますが、リアリティを担保しているのが荻原さんの観察眼。そしてこのリュウがなんともチャーミングなのです。現代日本に慣れるため、CMで覚えたアイドルのセリフで潤を起こしたり、初めて乗るエレベーターに驚いていないふりをしたり。長い歴史を生きてきたらしい彼女の気高さや古風な口調とのちぐはぐさがたまりません。リュウと暮らすうち潤は人間らしい生活を取り戻していきますが、彼女にはこの時代に目覚めた理由がありました。失くした彼女の記憶をたどっていくと、潤との悲しい因果に行き当たるのです。

受け継がれていく歴史、生きる意味、現代社会への問いかけ、そしてユーモア。荻原さんの魅力のすべてが味わえる、夏にぴったりの一冊です。(既刊・七六〇円・KADOKAWA)
この記事の中でご紹介した本
金魚姫/KADOKAWA
金魚姫
著 者:荻原 浩
出版社:KADOKAWA
「金魚姫」は以下からご購入できます
「金魚姫」出版社のホームページはこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加
新刊のその他の記事
新刊
塗中録
新刊をもっと見る >
文学 > 日本文学 > 恋愛関連記事
恋愛の関連記事をもっと見る >