いい本はテレキネシスのごと、人と人、人と物、人と事象の距離を縮める|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
マイページで記事のブックマーク!
ログイン
マイページ登録

トップページ

特集

書評

連載

コラム

ニュース

読書人とは マイページ

編集室から
更新日:2018年8月17日 / 新聞掲載日:2018年8月17日(第3252号)

いい本はテレキネシスのごと、人と人、人と物、人と事象の距離を縮める

このエントリーをはてなブックマークに追加
前作の『43回の殺意 川崎中1男子生徒殺害事件の深層』も面白かったが、ここ数年最も力を入れたのが今作『原爆』であると石井さん。土地柄も時代性も、石井さんに符合するところが見えなかったから意外だった。しかし確かに本書は、情報が緊密に織りなされ、読み応えも面白さも間違いがない。そして対談を聞きながら感じたのは、当事者以外の人が、ある意味自分事になるぐらい深入りして書いた本の重さだった。石井さんのバイタリティには脱帽するし、野心も並のものではないだろう。そして、ノンフィクションを成立させるために、当然根回しも怠らない。だから“純粋”と言ったら違うのだろうが、その熱意にはピュアさがちらつく。本書の主役である長岡省吾に、似たところがあるかもしれない。

私は未だ原爆ドームにも資料館にも行ったことがないが、本書を読んで近々必ず行こうと思った。いい本はテレキネシスのごと、人と人、人と物、人と事象の距離を縮める。これは秘密だが、陣野さんも「原爆」を自らのテーマとして抱えているそうである。それが出てくる日が楽しみだ。(S)
このエントリーをはてなブックマークに追加
編集室からのその他の記事
編集室からをもっと見る >
人生・生活 > エッセイ関連記事
エッセイの関連記事をもっと見る >