歴史問題の正解 書評|有馬 哲夫(新潮社)|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2016年10月21日 / 新聞掲載日:2016年10月21日(第3161号)

言われなき中傷は阻止 相手の言説を鵜呑みにする必要はない

歴史問題の正解
出版社:新潮社
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歴史問題の正解(有馬 哲夫)新潮社
歴史問題の正解
有馬 哲夫
新潮社
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日本での終戦は昭和天皇の玉音放送があった1945年(昭和20年)8月15日となっているが、正式の降伏調印式が行われたのは9月2日で、場所は東京湾上の戦艦ミズーリである。その後に間髪を入れず設置されたのが、占領軍の民間情報教育局(CIE)で、江藤淳の言うWGIP「戦争罪悪感醸成計画」の一環である。目的は「戦争についての罪悪感を日本人の心に植え付ける宣伝計画」である。

戦後の日本にはある種の精神的空白があったから、彼らの宣伝工作は日本人の心に浸透して、その影響は戦後70年を経た現在にも及んでいる。占領軍がまずおこなったのは、日本軍による残虐行為を大きく取り上げることであった。邪悪な日本軍が一方的に糾弾されるのである。

ラジオで放送された『真相はこうだ』の番組の一つである「戦争中のマニラ」は、1945年のマニラ市街戦で犠牲になったフィリピン人約10万人を、悪辣な日本軍の蛮行の結果としている。多大な犠牲者が出ることを重々承知しながら、乱射乱撃をおこなったアメリカ軍の責任は見事なまでにスルーしているのである。

戦後間もなく広島入りをしたあるアメリカ人科学者は「これだけのことをすれば将来において報復されても致し方ない」と言ったとされるが、民間情報教育局は原爆という大量殺戮を糾弾する声を押さえ込む必要に迫られた。

この結果、広島と長崎を合わせた犠牲者に匹敵する犠牲者を出した日本軍の残虐行為が必要となる。それが南京事件というわけである。中国の主張する30万人という数字の裏付けはない。しかし広島と長崎よりも多いと言うことが、彼らにとっては重要なのである。

本書には現在日本が仕掛けられている歴史戦に勝ち抜くための真実が語られている。自国の都合に合わせて作り上げた「真実まがい」のものではない。「日本は無条件降伏していない」(第6章)のであるから、唯々諾々と相手の言説を鵜呑みにする必要はない。言われなき中傷は阻止しなければならない。本書はその勇気を与えてくれる貴重な1冊である。
この記事の中でご紹介した本
歴史問題の正解/新潮社
歴史問題の正解
著 者:有馬 哲夫
出版社:新潮社
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