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更新日:2018年8月20日 / 新聞掲載日:2018年8月17日(第3252号)

ここを伝えたい!本の編集者より
一冊の本が出来るまでの制作秘話・企画への思いなど、出版社の担当者が語ります!

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子どもにも大人にもじんわり迫る、不思議でほろ苦い8つの短編!!スペインの児童文学の至宝、初の完訳なる!
書籍名:灰色の服のおじさん
著者:フェルナンド・アロンソ
編集者:塚原 伸郎(編集者)


時は1978年、フランコ独裁政権が消滅した直後のスペイン。人々が圧政からの解放をよろこび、同時に戸惑い、混乱が渦巻いていた時代。
そこに登場した一冊の児童書がスペインの人々の心を奪い、大きな評判を呼びました。
それがこの本、『灰色の服のおじさん』です。

8つの短編からなるこの本は、ざっくり分類すれば「ファンタジー」になるのでしょうが、どれもとても「地味」な物語です。
豪快な魔法も、英雄たちの戦いも、神秘の秘宝も、まったく出てきません。
登場するのは地味で平凡な日常ばかり。..........書評の続きをを読む
日本初のキリシタン大名「大村純忠」波乱の生涯をつづる
書籍名:純忠 日本で最初にキリシタン大名になった男
著者:清涼院 流水
編集者:玉越 直人(WAVE出版・代表取締役社長)


『純忠』は、企画・編集にあたり、構想から刊行までに7年以上かかった、格別想いいれの深い本です。
この小説の主人公である、戦国時代の武将「大村純忠(すみただ)」のことを詳しく知ったのは、8年前のことです。子どもの頃、社会科の教科書に「キリシタン大名=大友宗麟、有馬晴信、大村純忠」と記述されていたことから、名前だけは知っていましたが…。

それを教えてくださったのは、昔の大村純忠の領地であり、現長崎県大村市の市長を6期勤められた「故松本崇市長」でした。
松本氏には『不屈魂』と『負けてたまるか』という、ご自身が現職市長時代、無実の罪で投獄され、妻、息子を失う悲しみ、..........書評の続きをを読む
ベラスケスとひとりの男
書籍名:消えたベラスケス
著者:ローラ・カミング
編集者:八木 志朗(柏書房編集部)


きっかけは別の本だった。海外の有名な賞が発表される時期、本書『消えたベラスケス』は、数多ある候補作のひとつだった。結局受賞を逃したこの本は、大賞作の華やかさに隠れて、そのままであれば見過ごされてしまっただろう。でも、表紙にある肖像画と、その人物の視線がどうしても気になった。ひょんなことからスペインの宮廷画家・ベラスケスの絵を手に入れ、最後は絵を持って外国にまで渡ってしまう男の実話。絵と一緒に旅をするなんて、まるで江戸川乱歩の「押絵と旅する男」みたいではないか、と思った。

物語は、美術評論家である著者が、プラド美術館にある「ラス・メニーナス」を見る場面から始まる。父を亡くして傷ついた心のまま、吸い寄せられるように絵の前に立つ著者。..........書評の続きをを読む
ジェネリック(後発薬)の歴史について、初めて包括的に
書籍名:ジェネリック それは新薬と同じなのか
著者:ジェレミー・A・グリーン
編集者:鈴木 英果(みすず書房編集部)


アメリカで誕生し、いまや世界的に普及が進むジェネリック薬。医療費削減の切り札として注目されています。薬を処方されるときに、ジェネリック薬にしますか?と訊ねられたことのある人は多いでしょう。ですが、従来の薬とジェネリックはどこがどう違うのでしょうか。知識を得る前に選択が先にくるというのが現状ではないでしょうか。本書は、ジェネリック薬の歴史について包括的にまとめたはじめての本です。

「ジェネリックは問題の種なのか、それとも解決策なのか――明らかにその両方だ。(…)ジェネリックに関して聞こえてくる話はたいてい、ブランド薬かジェネリックのどちらかの肩を持とうとする。だが、両者の対立が単にイデオロギー上のものでないことを理解するには、どちらにも強力な経済的・政治的動機があることを理解した上で、両者の言い分に耳を傾けなければならない」..........書評の続きをを読む
「旅先で出会う新しい価値観で、常に自分を変えていきたい」
書籍名:いのりの海へ 出会いと発見 大人の旅
著者:渡辺 憲司
編集者:小林 恵子(婦人之友社・「明日の友」編集部)


立教大学名誉教授(専門は近世文学)、自由学園最高学部学部長。2011年、当時校長を務めた立教新座高校の卒業生に向けた、筆者のメッセージ、「時に海を見よ」は、「あれ以上素晴らしい祝辞は、自分には贈れない」と、多くの教育者を嘆かせた。

固い肩書の並ぶ筆者だが、その旅はどこまでも柔軟で突発的だ。
時に「甘楽」という、心惹かれる地名に導かれて、時に昔読んだ詩集を思い出して詩人の生家へ、時にうららかな陽気に誘われて、ひょいと電車にのって房総へ、実に気軽に旅に出る。
そこで、筆者は、「行かなければわからなかった、知りえなかった、様々なこと」に出会う。水俣のどこまでも澄んだ海は、プランクトンがいない、魚の住めない死んだ海だったこと。江戸川乱歩の美しい妻は、まるっきり整理整頓のできない人だったこと。..........書評の続きをを読む
21世紀の知識人たちによる7時間の討論会の全容がここに明かされる!
書籍名:徹底討論 市田良彦・王寺賢太編『現代思想と政治』@京大人文研
著者:鵜飼 哲、檜垣 立哉、森川 輝一
編集者:明石 健五(「週刊読書人」編集長)


2016年3月20日、京都大学人文科学研究所で行われた市田良彦・王寺賢太共編『現代思想と政治――資本主義・精神分析・哲学』(平凡社刊2016年1月)公開合評会の模様を載録したものに、各発言者の若干の加筆修正を加えた発言録。合評会の評者としては、発言順に、檜垣立哉(大阪大学人間科学研究科教授)、森川輝一(京都大学公共政策大学院教授)、鵜飼哲(一橋大学言語社会研究科教授)の3氏が招かれ、それぞれのコメントに、市田氏をはじめとする『現代思想と政治』寄稿者が順次応答する形で議論は進行した。会は総計およそ7時間にわたって、活発な討論が繰り広げられた。読者の方々には、7時間の議論の醍醐味を十分味わっていただけるのではないか。..........書評の続きをを読む
原書越えを目指して。
書籍名:中世ハンザ都市のすがた ─コグ船と商人─
著者:ハインツ=ヨアヒム・ドレーガー 、中島 大輔
編集者:近藤千明(株式会社朝日出版社・編集部)


ハンザ、どこかで聞いたことはあるような。中学校くらいの歴史の授業で習ったような。ヨーロッパの話、だよね。そうだよね?
すごく歴史に興味がある人以外は、大抵このくらいの認識のハンザ都市での生活や風景を美しく、細やかに描き出したのがハインツ=ヨアヒム・ドレーガー。
その精緻な筆致と歴史考証に基づいた気品ある文章に惹かれて日本での発刊を目指した訳者、中島大輔。
丹念な訳文を付けた日本語版は、しかし目指すのは原書超え!..........書評の続きをを読む
イギリス貴族や使用人の生活に思いを馳せる
書籍名:図説 イングランドのお屋敷~カントリー・ハウス~
著者:トレヴァー・ヨーク
編集者:井上 ななみ(マール社・編集部)


原書は、英国で30冊以上が刊行されているトレヴァー・ヨークの歴史的建造物シリーズ内の1つ。著者は、イギリスの歴史研究家でありイラストレーターでもあるトレヴァー・ヨーク(Trevor Yorke)氏。ヨーク氏の優しい語り口と温かみのある手描きイラストで、英国貴族が暮らしたお屋敷(カントリー・ハウス)の移り変わりが手に取るように分かります。

間取りや建築様式の移り変わり、主人一家の暮らしなどはもちろん、階下に住む使用人たちの生活にも触れ、人々の生活の知恵を覗き見ることができます。..........書評の続きをを読む
「仕事」と「復興」の意味を再確認するために
書籍名:聞く力、つなぐ力
――3・11東日本大震災 被災農家に寄り添いつづける普及指導員たち
著者:古川 勉、行友 弥、山下 祐介、宇根 豊
編集者:田口 均(農文協プロダクション・編集部)


東日本大震災直後、食品の流通が不安になったこと、放射能汚染が問題になったことは記憶に生々しく残っています。それではあの時、農業の生産現場はどうだったのか。私たちはほとんど知らないことに気づきます。地震、津波、原発事故と続くなか、被災農家の支援を開始したのが「普及指導員」でした。「普及指導員」とは耳慣れないかもしれませんが、農業技術や経営の向上を目的に現場に配置される都道府県の公務員です。

本書は、この普及指導員たちがつぎつぎに生じる問題にどのように対処し、被災農家の復旧・復興をどう支援していったのか、そして自分たちの仕事の意味をあらためてどう位置づけたのか――..........書評の続きをを読む
レイザーラモンRG最強のコミュニケーション術を凝縮!
書籍名:人生はあるあるである
著者:レイザーラモン・RG
編集者:榊田 一也(小学館・出版局) 
井澤 元清(よしもとクリエイティブ・エージェンシー 編集者)


東日本大震災の際、RGさんは今の自分に何ができるのかを考え抜き、不安にかられている人を少しでも勇気づけようと、ツイッターでひたすらあるあるを発信しました。夜中、何百というお題にあるあるを返し続ける日々。「みんなが悲しんでいる時にふざけたことをするな」「貴重な電気を使うな」というバッシングもずいぶんあったそうです。それでも夜通し返し続けると、共感してくれるフォロワーが一気に増えました。その際、最もリツイートされたあるある――〈「逆境」あるある……人間を成長させがち〉..........書評の続きをを読む
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