田原総一朗の取材ノート「米国、報道の自由を訴える一斉社説」|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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田原総一朗の取材ノート
更新日:2018年8月28日 / 新聞掲載日:2018年8月24日(第3253号)

米国、報道の自由を訴える一斉社説

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アメリカの新聞社や週刊誌など四〇〇社近くが、報道の自由を訴え、具体的にはトランプ大統領を批判する社説を一斉に掲げた。八月一六日のことである。

トランプ大統領は、歴代大統領とは全く違い、きわめて露骨な発言をくり返してきた。

第二次大戦後、冷戦時代も冷戦後も、アメリカは世界の国々の警察になって来た、というのである。安全保障面でも、経済面でも、世界の国々の面倒を見させられつづけて来た、というのだ。

そこで、きわめて露骨なアメリカ第一主義を打ち出した。世界のことなどかまっていられない、というわけだ。

トランプ氏が直截的なアメリカ第一主義を打ち出したのは、一つには、グローバリズムの弊害が露呈したためである。ヒト・モノ・カネが国境を超えて国際市場で活動できることになり、アメリカは人件費が高いのでアメリカの多くの企業が、工場をメキシコやアジアの国々にどんどん移した。そのために、デトロイトなどかつての工業地帯は廃墟のようになり、とくに白人労働者たちの失業がふえたのだ。それに、グローバリズムによって一部の富裕者と、多くの生活が落ち込んだ層との格差がきわめて大きくなった。

そのために、エスタブリッシュの代表のようなヒラリー・クリントンが落選し、エスタブリッシュを「敵だ」といい切ったトランプ氏が当選したのである。

トランプ大統領は、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポスト、CNNなどをエスタブリッシュの提灯持ち、だと決めつけ、「フェイク(偽)ニュースばかりまき散らす悪質な敵だ」とぶちまけている。

それに対して、一斉批判を呼びかけたボストン・グローブ紙は、「米国の偉大さは、権力者に対して真実を突きつける自由な報道機関に支えられている」と強調している。

アメリカの新聞社の一斉行動に対して、わが日本の状況はどうなのか。

もちろんこのような行動は起きるはずがなく、安倍首相の森友、加計などについての言動は矛盾だらけであったが、野党の支持率はきわめて低く、マスメディアも、なぜかおさまってしまった。どうやら政治問題を取り上げると、読者もあまり読まず、テレビも視聴率が落ちるようである。これをどのように判断すればよいのだろうか。
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