【横尾 忠則】明日はぼくの生誕3万日目。神秘主義者おでん|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
マイページで記事のブックマーク!
ログイン
マイページ登録

トップページ

特集

書評

連載

コラム

ニュース

読書人とは マイページ

日常の向こう側ぼくの内側
更新日:2018年8月28日 / 新聞掲載日:2018年8月24日(第3253号)

明日はぼくの生誕3万日目。神秘主義者おでん

このエントリーをはてなブックマークに追加
2018.8.13
 〈最近開催された何かの美術展のカタログを生駒芳子さんが見ながら、どうして日本人の書く文章は西洋人に比べて個性がないんでしょう、もっとモード関係の人にもアピールする必要があるわよねと言う〉批評夢。

ここ数日、秋近しと思わせたが、今日の酷暑は異常。

2018.8.14
 〈河竹登志夫さんが五万分の一の地図に彩色を始めた〉。このところ一コマ夢ばかりで夢としての価値は低い。

死亡記事に83歳の人が老衰死。ぼくと1歳違いで老衰?

今朝、玄関に蝉が上向けに倒れていた。拾おうとすると突然庭の樹へ飛び立ったが、昨日の朝も全く同じことがあった。同じ蝉だろうか? こっちの方がよっぽど夢のようだ。

映画の小道具、セットなど制作しているカゴタニアンドカンパニーの籠谷武社長ら、スタッフ4人来訪。絵画の他に立体作品の構想があるので相談に乗ってもらう。

4日前に失くした2個の眼鏡のうち1個はアトリエの前に落としていたが、サングラスは紛失したまゝ、その内どこからかでてくるだろうと思っていたら事務所のテーブルの上の本の間から出てくる。

2018.8.15
 〈日比谷近くで急にラーメンが食べたくなった。そこへこの間府中市美術館で会った佐々木豊さんと連れの人に会う。3人でラーメンを食べに行くことになった。2人は「祈り」について考えていたと言う。何だか重いテーマなので、「そんな問題は適当に軽く、深刻に考えなくていいんじゃないの、と言ったところで目が覚める〉ラーメンと祈夢。

おでんの躰に蚤がいるらしく、落ちつかない。相当のプレッシャーになっているらしく、躰をすり寄せてくるけれど目は笑っていない。また何かに怯えているようでもある。恐ろしいのは布団の上にオシッコをされることだ。

二度寝の時に夢を見る。〈郷里の風呂屋へ行く裏道の長屋の一軒の店内から倉俣史朗さんから声を掛けられる。一瞬現実感を喪失する。だって倉俣さんは27年前に亡くなっている。そんな人がいるのは幽霊の倉俣さんか、ぼくが霊界に行って死者の倉俣さんに会っているのか、どっちかだ。倉俣さんは元気で嬉しそうに笑顔を浮かべているが、ぼくも同じだ。「今、磯崎新さんと建築とインテリアデザインの本を編集中なので、是非協力をして欲しいと依頼して握手をする。肉体感覚があるので幽霊ではなさそーだ〉。この夢は普通の夢ではなく霊夢に近い。

制作中の木版画の一作目のサンプルができたので工房の水谷さんと摺り師の久保田さん来訪。

明日、ぼくは生誕3万日目を迎えると、こーいうことを調査している所からネットで報告される。82歳なんて言うより、3万日と言われる方が年齢意識がなくていい。

2018.8.16
 電気草刈機で相島が裏庭の道路に面した草を刈ってくれる。

川西浩史君がNYに行く前に新作を見たいと自転車でやってくる。都心へ行くのも全て自転車。彼との交流は48年前NYのJ・ジョーンズの家で会って以来。今日は彼の超自然体験をいくつも話してくれてびっくりする。こんな話一度もしたことがなかったからだ。

瀬戸内さんにメールをしたら電話がある。2人共難聴だけれどぼくの方が重症だ。「だけど私の話にちゃんと答えているわよ」。おゝよそで話しているだけ。

アトリエにてマーク・ベンダ一家と(撮影・徳永明美)
2018.8.17
 NYのマーク・ベンダさんが秋の個展で発表する新作を見に。奥さん、子供4人、両親、弟さん、一族郎党引きつれて来訪。マークさんと長男がとんかつが好物なので「とんかつ椿」で昼食。日本一週間の旅程だけれど小さい子供も海外旅行に慣れていて、どこへ行っても怖じけることはないそーだ。

午後はおでんのおしっこ治療に動物病院に徳永が連れていってくれるが、元々の原因は病的なものではない。どこの猫もふとんの上でおしっこをするらしく、大半がストレスが原因で特別のことではないそーだ。

2018.8.18
 珍しくおでんが24時間近く家にいたが早朝出掛けたまま。何を考えているのか、神秘主義者のおでんは分かりません。

終日、アディダスのトートバッグの絵を描く。

夜、10時におでん帰宅。16時間振りのお帰り。

2018.8.19
 〈アーティストの創造集団。共通の理念はなく、収益の分配もなく、あくまで個人主義。こんな組織に参加。風光明媚な自然の中に建てられた建物。今日からここがアトリエになる。ぼくの理想は複数の制作場所を持つことだ、そんな夢が夢で実現したらしい〉。こんな現実的な夢よりもっとファンタジックな夢がいい。

制作の合間に公園に出掛ける。公園内の樹の下のベンチでひと休み。去年の今頃は喘息で入院していたけれど、今年は元気。

夕方はマッサージへ。
このエントリーをはてなブックマークに追加
横尾 忠則 氏の関連記事
日常の向こう側ぼくの内側のその他の記事
日常の向こう側ぼくの内側をもっと見る >
芸術・娯楽 > 美術 > 現代美術関連記事
現代美術の関連記事をもっと見る >