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漢字点心
更新日:2018年9月4日 / 新聞掲載日:2018年8月31日(第3254号)

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「淀」は、水が流れないことを表す漢字。「碇」は、「いかり」と訓読みして、船が動かないようにする重しを指す。「錠剤」の「錠」は、もともとは、金属を固形にしたものを表す。これらの漢字では、「定」が表す「動かないようにする」という意味が、よく効いている。

となれば、「糸へん」に「定」と書く「綻」は、糸で固定することを表しそうなもの。ところが、「ほころぶ」と訓読みして、縫い目の糸がほどけることを表すのだから、不思議である。

漢字の中には、こういう例が時折、ある。「形声(けいせい)」と呼ばれる漢字の成り立ちの純粋な例で、この場合の「定」は、昔の中国語としての発音を表すはたらきしかしていない。だから、意味をいかに追究しても、無駄なのだ。

日本人は、漢字というとすぐ意味を求めてしまう。それは漢字の魅力ではあるのだが、魅力に捕らわれすぎると、かえって本質が見えなくなることも、あるのである。
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