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漢字点心
更新日:2018年9月18日 / 新聞掲載日:2018年9月14日(第3256号)

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暑かった今年の夏もようやく過ぎ去って、過ごしやすい秋が近づいてきた。この時期にぴったりなのが、「爽」。「さわやか」と訓読みするのはもちろん、「爽快」「颯爽(さっそう)」などと使われて、すこぶるゴキゲンな漢字である。

しかし、漢和辞典を見ると、この漢字には「ダメにする」という意味があると書いてあるから、驚く。これは、漢文では時折、目にする意味で、たとえば、『老子』には、おいしい料理は人の味覚を「爽」にする、という一節がある。老子一流の逆説で、おいしい料理ばかり食べていると味覚がダメになる、というのである。

「さわやか」と「ダメになる」という、まったく異なる意味がどうして一つの漢字に同居しているのか。その理由は、はっきりしない。ただ、現代に生きる我々としては、これから始まるさわやかな季節を楽しみすぎて、自分をダメにしてしまうことがないよう、気をつける方がいいのかもしれない。
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