ヴィクトリア朝怪異譚 ウィルキー・コリンズ/ジョージ・エリオット/メアリ・エリザベス・ブラッドン/マーガレット・オリファント著 三馬志伸編訳|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2018年9月15日 / 新聞掲載日:2018年9月14日(第3256号)

ヴィクトリア朝怪異譚
ウィルキー・コリンズ/ジョージ・エリオット/メアリ・エリザベス・ブラッドン/マーガレット・オリファント著 三馬志伸編訳

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19世紀後半のイギリスでは、ディケンズ、ブロンテ姉妹、サッカレーなどといった文学史上に輝かしい足跡を残した作家たちが多く登場した。そうした動きに歩調を合わせるように、大衆文学の世界でも、現在のミステリや怪奇小説の源流とも言われる「センセーション小説」が大流行した。とはいえ、それらは雑誌に一度発表されただけで書籍としては刊行されず、また後世になってアンソロジーなどに収録されることがなかったものも多いので、かなりの数の作品が忘れられたものとなっていった。

本書では、ヴィクトリア朝時代に書かれた「センセーション小説」の中から、日本ではこれまでほとんど紹介されてこなかった優れた幽霊物語四篇を収録している。

四名の収録作家のうち、メアリ・エリザベス・ブラッドンとマーガレット・オリファントは、よほどヴィクトリア朝時代の大衆小説に詳しくなければその名を知る人は極端に少ないだろうと思われるが、残りの二名は熱心なミステリ愛好者、あるいはイギリス文学好きならば知っているであろう作者である。そのうちの一人、ウィルキー・コリンズは、T・S・エリオットに称賛された『白衣の女』や『月長石』の作者で、収録作の「狂気のマンクトン」は、これが本邦初訳となる。そしてもう一名は、ヴィクトリア朝を代表する作家の一人と言えるジョージ・エリオットである。収録作の「剥がれたベール」は、日本的に言えば「純文学」の書き手である彼女の作品の中では極めて異色な印象を与えるものであり、近年までエリオット研究者からも等閑視されてきたものだったという。

いずれにしても四作品のどれもが読みごたえがあり、格調高い雰囲気が漂う怪異譚を好む読者ならば楽しめることは間違いないだろう。(四六判・三四四頁・二八〇〇円・作品社)
この記事の中でご紹介した本
ヴィクトリア朝怪異譚/作品社
ヴィクトリア朝怪異譚
著 者:ウィルキー・コリンズ、ジョージ・エリオット、メアリ・エリザベス・ブラッドン、マーガレット・オリファント
翻訳者:三馬 志伸
出版社:作品社
以下のオンライン書店でご購入できます
「ヴィクトリア朝怪異譚」出版社のホームページはこちら
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