田原総一朗の取材ノート「迫力を欠く「安倍・石破公開討論」」|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
マイページで記事のブックマーク!
ログイン
マイページ登録

トップページ

特集

書評

連載

コラム

ニュース

読書人とは マイページ

田原総一朗の取材ノート
更新日:2018年9月25日 / 新聞掲載日:2018年9月21日(第3257号)

迫力を欠く「安倍・石破公開討論」

このエントリーをはてなブックマークに追加
九月一四日に、日本記者クラブの主催で安倍晋三首相と石破茂・元幹事長との討論会が行なわれた。両者が直接討論したのは、これがはじめて、である。

討論は約五〇分。私はNHKの中継で観戦した。

だが、率直にいって、大いに不満だった。

真剣勝負とは程遠かった。なぜ石破氏が、これほど遠慮しているのか理解できなかった。

石破氏は、まず「民主主義のあり方」を取り上げて、「民主主義が機能するには不都合な情報も参加者に伝える。きちんとした数字を包み隠さすことなく説明し、国民に誠実に説明することが大切だ」と指摘した。

これは、森友・加計学園問題、そして働き方改革での、厚労省のあまりにもいいかげんな数字の記憶などのことを批判しているのであろうが、森友・加計などの名前は全く出さず、だから、財務省が決算文書を改ざんし、しかもそれを隠蔽しようとしたこと、そして麻生財務相の責任問題なども、一切指摘しなかった。もちろん加計学園問題での柳瀬元秘書官の国会での発言の、全く辻褄が合わないこと、安倍首相の国会での発言が矛盾だらけであることの指摘もなかった。

さらに、石破氏は、政府が主張する、東京が発展することで地方が発展すると言うのは誤りで、地方は、それぞれの地域が活性化しなければならない、と強調した。

私も、この発言には同意できる。だが、それでは、どうやって活性化するのか。石破氏は、その具体策には全く踏み込まなかった。これではリアリティがない。 石破氏は、憲法問題でも、安倍首相を批判している。安倍首相は、憲法改正を表明し、憲法九条の一項、二項はそのまま残して、自衛隊を明記すると主張している。これに対して石破氏は「問題あり」だと指摘しているのだが、どこがどう問題なのかは一切示していないのである。

なぜ、石破氏はこれほど遠慮しているのか。あるいは選挙後、自民党議員たちに嫌われるのを恐れているのだろうか。 両者の討論が迫力を欠いていたのに対して、記者たちの安倍首相への質問は、きわめて鋭く、安倍首相の矛盾、責任回避などを容赦なく問い、安倍首相の目が泳ぐ場面も何度かあった。
このエントリーをはてなブックマークに追加
田原 総一朗 氏の関連記事
田原総一朗の取材ノートのその他の記事
田原総一朗の取材ノートをもっと見る >
社会・政治 > 日本の政治 > 安倍晋三関連記事
安倍晋三の関連記事をもっと見る >