菊池壮一著 『書店に恋して リブロ池袋本店とわたし』 晶文社より刊行|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2018年10月23日 / 新聞掲載日:2018年10月19日(第3261号)

菊池壮一著 『書店に恋して リブロ池袋本店とわたし』 晶文社より刊行

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このタイトルを目にすると出版界にいる多くの人は必ず手に取るのではないだろうか。執筆者の菊池壮一氏は多くの人が知る「リブロ池袋本店」の顔であり、さまざまな試みを実現させ、書店というもののあり方を提案し、広め、そしてその終焉を見取った人である。今は日比谷図書文化館図書部門長を務め、書店業からはやや離れた地点から出版界を見つめている。

本書は第1章のリブロ黎明期から第4章のファイナルラウンドまでで、菊池が関わったリブロ池袋店のすべてが語られ、最終の第5章ではいま出版界が抱える問題点に言及しこれから解決していきたい課題について述べられているが、とても結論を得られるような問題ではないのでここは感想程度に留まる。

頁数の多くを割いてリブロ池袋店で展開した数多くのイベントと、それに関わった人々の活躍や言動が語られており、また、次々に全国展開したリブロの開発についての秘められた話、それに関わる親会社である西武池袋店などとの確執が、やや恨み節ふうに語られているとまとめれば事足りるのかと思いつつ、読み直すと少し違った視点で読むことが出来ることに気づかされた。読んでもらいたい読者は当然ながら出版界の人々、出版社、書店人、図書館関係者、出版取次業などであろうが、それだけではちょっともったいない気がする。

本好きの多くがそうするように、マーカーを手に、メモを取りながら読み進めると、読み終わった時に立派なアイディア帳が出来上がっているであろう。なぜなら、イベントを思いつく過程や交渉の仕方、準備から成功、失敗の分析までが率直に書かれているからだ。業種を変えて、読む人が自分の分野に置き換えて読むと、ここから変換してたくさんの企画を生み出すことが出来るのではないだろうか。そしてもう一つ、本書には実名でたくさんの人が登場する。出版界で長く生きてきた人には「ああ、あの人が……」と懐かしい気にもさせてくれるであろうし、その人のことをまったく知らない人にとっても、登場する人物に学ぶべきことがらが多くあることを断言できる。そして、当然であるが菊池が交わってきた人と本があらゆる頁に紹介されているので、メモを取っておくと次に自分が読んでおきたい本のリストが出来上がるであろう。

あの懐かしいリブロ池袋本店の再開を願いながらページを閉じる人がほとんどではないだろうか。(K)
(四六判、264頁、本体1700円/晶文社TEL:03・3518・4940)
この記事の中でご紹介した本
書店に恋して ――リブロ池袋本店とわたし/晶文社
書店に恋して ――リブロ池袋本店とわたし
著 者:菊池 壮一
出版社:晶文社
以下のオンライン書店でご購入できます
「書店に恋して ――リブロ池袋本店とわたし」出版社のホームページはこちら
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