田原総一朗の取材ノート「万年野党の会」シンポジウム」|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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田原総一朗の取材ノート
更新日:2018年11月2日 / 新聞掲載日:2018年11月2日(第3263号)

万年野党の会」シンポジウム

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「万年野党の会」というグループで、マスメディアのあり方について、シンポジウムをした。

そこで、私と経済学者が、ジャーナリズムの現状について論じていると、元政治記者が「現在は、日本にジャーナリズムはない。マスメディアに飲み込まれてしまった」と主張し、マスメディアは新聞もテレビも無難なことしか報じなくなった、と嘆いた。

安倍政権とトランプ政権は、メディアへの対応で共通点がある、という。
政権に批判的なメディアに対して、陰に陽に圧力をかけている。トランプ大統領は、『ニューヨーク・タイムズ』や『ワシントン・ポスト』などのことを、はっきり敵だといい、それらのメディアはフェイクニュースばかり氾濫させている、と非難している。

「だが、アメリカのメディアは、ジャーナリストとしての闘志を燃やして、トランプ大統領に毅然と立ち向っている、それに対して日本のマスメディアは、委縮してしまっているのではないか」

実は、この元政治記者のような主張は、現在、日本のマスメディア批判の主流になっているのである。
たとえば、フランスのパリに本部のある「国境なき記者団」というNGOが、二〇一六年四月に、世界一八〇カ国を対象に「報道の自由度ランキング」を発表したのだが、日本はなんと七二位であった。イギリスが三八位、アメリカが四一位、フランスが四五位、韓国でさえ七〇位である。

この調査結果で、日本には報道の自由が、極端に制限されている。マスメディアが委縮しているという捉え方が決定的になった。

だが、私はこの捉え方には違和感がある。

日本には言論・表現の自由があり、ジャーナリストで、政府によって殺された例はもちろん、逮捕された例もない。

げんに私は、首相を三人失脚させているが、圧力らしいものをかけられたことはない。

安倍首相を、どれだけ酷評しても、圧力はかからない。もしも、規制があるとすれば、政府からの圧力のためではなく、自主規制である。そして、日本人というのは、どうも自虐趣味があるのではないか。
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