蛇から足が抜け落ち、しゅるしゅると草むらに走っていった|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2018年11月2日 / 新聞掲載日:2018年11月2日(第3263号)

蛇から足が抜け落ち、しゅるしゅると草むらに走っていった

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「蛇足」という言葉を知ったのは、小学校低学年ぐらいに読んだマンガ入りの読物。そのため、「蛇足」という言葉を思い浮かべるとき、条件反射のように蛇に足があるイラストが思い出される。作家にインタビューをさせていただくとき、いつも「蛇足だ…」と思う。小説を読めば事足りるのに、こんなダサい質問、申し訳ないと。でもそれにも、三浦さんは真面目に面白く答えてくれるのだった。三浦さんの言葉に、蛇から足が抜け落ち、しゅるしゅると草むらに走っていった。

かつて「あ~こんなに面白い小説があるのか」と心が潤った本がいくつかあるが、その一つが『まほろ駅前多田便利軒』。その頃私の側の問題で、どの本も面白く感じられずにいたが、『まほろ』はそんなささくれた心に飛び込んできたのだった。今回の『愛なき世界』では植物学研究室の世界に飛び込ませてもらっているが、やはり同時に物語が私の中に飛び込んできているのだと感じる。『ののはな通信』は二人の女性の書簡に、あんなに壮観さを感じさせられるとは想像していなかった。三浦さんの言葉はいつも私の中に飛び込んできて、高いように見えていた塀を、半透明にしてくれるのだ。 (S)
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