いつまでも残る「ある男」の背中|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2018年11月9日 / 新聞掲載日:2018年11月9日(第3264号)

いつまでも残る「ある男」の背中

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平野啓一郎さんと武田砂鉄さん、これまで見なかった取り合わせだと思ったら、初めての顔合わせだったという。著される文章は質が違うように感じられるお二人。でも言葉に思い入れて、自分の内側の言葉と同時に、常に社会に流れる言葉をキャッチする姿勢、社会や人への興味の持ち方は、もしかしたら似ておられるのでは、とトークを聞いて思った。一時間のトークはあっという間に終わってしまい、会場は熱を保ち続けてサイン会へと移行した。『考える葦』は『透明な迷宮』『マチネの終わりに』『ある男』が描かれた時期に執筆された批評・エッセイが主である。文学はもとより、美術、音楽、デザイン、映画、時事問題と取り扱う題材が幅広く飽きさせない。対談の中でも少し話されていたが、作家にとって、「何をどんな風に書くか」とは、「何をどんな風に書かないか」の決定でもある、という論及(「混沌を秩序化する技術――三島由紀夫『小説読本』」)は、いろいろな物を読む上での余白を作ってくれた言葉だった。謎は解けつつも、いつまでも残る「ある男」の背中とともに、平野啓一郎さんがこの秋、残してくれたものだった。(S)
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