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漢字点心
更新日:2018年11月13日 / 新聞掲載日:2018年11月9日(第3264号)

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出版社で漢和辞典の編集をしていたころ、校正刷りを読んでいて「虫へん」のところにさしかかると、次から次へと現れる虫の大群に、気が重くなったものだった。そんな「虫へん」の中でも、ひときわ得体の知れない印象を残すのが、この漢字。音読みでは「ヨク」と読み、ある空想上の虫を表す。

その虫は、中国の南の方の川に住んでいて、スッポンに似ているが、足が三本しかない。口の中に砂を含み、岸辺に人間の気配を察すると、水中からそれを人間に目がけて噴きつける。襲われた人間は、腫れものができたり、死んでしまったりするという。

『捜神記(そうしんき)』という書物によれば、昔、川でみだらなことをした男女がいて、その淫乱の気がこんな怪物を生んだのだそうだ。中国のたいていのお話は、儒教的な道徳臭い解釈をするとつまらなくなってしまうが、この虫に関してだけは、かえって得体の知れなさが増すような気がする。
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