第四回「ユダヤ文化を学ぶ会」開催 (講師:黒川知文) |書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
マイページで記事のブックマーク!
ログイン
マイページ登録

トップページ

特集

書評

連載

コラム

ニュース

読書人とは マイページ

トピック
更新日:2018年11月23日 / 新聞掲載日:2018年11月23日(第3266号)

第四回「ユダヤ文化を学ぶ会」開催 (講師:黒川知文) 

このエントリーをはてなブックマークに追加
黒川 知文氏
十月二十六日、東京・御茶ノ水クリスチャンセンターで第四回「ユダヤ文化を学ぶ会」が開催された。講師に中央学院大学教授で日本イスラエル親善協会理事の黒川知文氏を招いて、約一時間半にわたり講義形式でユダヤ文化について講演が行われた。

黒川氏は今回の講演に先駆けて新刊『ユダヤ人の歴史と思想』(四六判・三三六頁・一八〇〇円・ヨベル)を刊行したばかり。紀元前から二〇世紀に至るまで、世界中で連綿と行われてきたユダヤ人迫害。なぜ古来より苛烈な反ユダヤ主義が生起しえたのか、その歴史を直視しつつ、災禍を通じて形成されていったユダヤ人固有の諸思想までの詳説を著した内容となっている。

この日の講演ではA3用紙十四頁+カラー図版資料一枚の膨大なレジュメを用意し、ユダヤを知る上での基礎知識の解説を行った。

ユダヤ人とは一体どのような人のことを指すのか、そこから講義がはじまる。実は生物学・民俗学的根拠は希薄で、中世ではユダヤ教徒が軸になる。一九七五年施行の「改正帰還法」から母親がユダヤ人ならその子どもはユダヤ人とみなされ、ユダヤ教改宗者もユダヤ人に含まれるようになった。その定義に基づくと二〇一六年時点で世界中にいる全人口は約一四〇〇万人を数える。その大半がイスラエルとアメリカで生活をしていると述べる。ユダヤ人は世界人工の〇・二%ほどと推計されるが、科学・ビジネス・文化・芸術・財界など数多くの分野で世界的な著名人を輩出している。特にノーベル賞受賞者は一九七名いて、全体の約二十二%いる計算になる。 なぜユダヤ人がこれだけ優れた業績を残せるか、黒川氏は「ユダヤ人は小さい頃から目に見えないものを大切にする意識が徹底されています。目に見えないもの、例えば地所、お金を指します。中世ヨーロッパにおいてユダヤ人たちは土地を所有することができなかったため、今、目にみえる土地ではなく、目に見えない地所に目を向けた。それは同時に学問、芸術、あるいはお金など目に見えないものを大切することに繋がりました。だからユダヤ系に世界で名を馳せた人物が多いのです」と解説する。 その後はユダヤ教の解説が中心になる。成り立ちや戒律、礼拝、祭りなどを図版を駆使しながら説明していく。

本講演は十二月一日に実施される「第六回イスラエル・ユダヤ文化検定」の予習も兼ねた内容で、聴講者たちと一緒に過去問を振り返った。講演の終わりにはユダヤ教の礼拝で歌う『世界中に平和をつくる』を参加者全員で歌い幕を閉じた。
この記事の中でご紹介した本
ユダヤ人の歴史と思想/ヨベル
ユダヤ人の歴史と思想
著 者:黒川 知文
出版社:ヨベル
以下のオンライン書店でご購入できます
「ユダヤ人の歴史と思想」出版社のホームページはこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加
トピックのその他の記事
トピックをもっと見る >
社会・政治 > 海外事情関連記事
海外事情の関連記事をもっと見る >