小林信也著 『柳都新潟 古町芸妓ものがたり』 ダイヤモンド社より刊行 |書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
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更新日:2018年12月4日 / 新聞掲載日:2018年11月30日(第3267号)

小林信也著 『柳都新潟 古町芸妓ものがたり』 ダイヤモンド社より刊行 

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タイトルの「柳都(りゅうと)」という文字を見て傍らの編集者が「花柳界の町ということか……」とつぶやいた。表紙を見てパラパラとめくるとそれらしき風情を感じさせる本作りである。しかし、「柳都」という言葉を辞典で調べてみてもそのような見出しは出てこない。これは新潟を象徴する言葉かと、市の樹木や花を調べてみるとやはり「柳」が新潟市の木として定められている。新潟は古くからたくさんの堀が作られたが、その埋め立てた後に柳が植えられて町の風情が作り上げられてきた。そして豊かな米どころとして栄え、日本海を航路とした海運業の発展にも支えられて「遊び」の文化も豊かになった。その、大人の遊びとしての花柳界が古町という街に残り芸妓に受け継がれている。なかなか窺い知れない芸妓の日常や修業のありさまも、本書中にたくさん盛り込まれた写真で追いながら知り且つ楽しむことができるのである。いま日本は多くの外国からの旅行者であふれているが、私たちこそ伝統的な遊びを体験したくなるのではないだろうか。そして、日本海沿いにある政都を眺めてみると秋田、山形、富山、金沢、福井など、雪国ならではの情緒に恵まれ、しっとりとした遊びの一廓を備えた街が続くことに気付かされる。読者は本書だけにとどまらず、そうした近くて少しずつ異なる風情を保つ街の本を探し出して比較しながら読むことも触発されるのではないか。「柳」という木が女性の持つたおやかさを表すものであるだけに、「柳都」という言葉を新潟の形容詞に使ったタイトルも生きてくる。最近では、新潟市古町から生まれたRYUTist(りゅーてぃすと)というアイドルユニットが大変な人気だそうである。(K)

ダイヤモンド社 ☎03・5778・7240
この記事の中でご紹介した本
柳都新潟・古町芸妓ものがたり/ダイヤモンド社
柳都新潟・古町芸妓ものがたり
著 者:小林 信也
出版社:ダイヤモンド社
以下のオンライン書店でご購入できます
「柳都新潟・古町芸妓ものがたり」出版社のホームページはこちら
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